税務調査は、事前通知で日程を決めた後に行われるのが一般的です。
「急に税務調査の事前通知がきて焦っている」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
今回は税務調査の事前通知で伝えられること、その後の流れや税理士に依頼すべき理由などについてまとめました。
税理士の立場から、難しい用語は極力使用せず、分かりやすく解説します。
記事を最後までチェックすれば、税務調査に対する不安がなくなり、万全の準備をして当日に臨めるようになります。
目次
税務調査には事前通知ありと事前通知なしがある
税務調査と聞くと、調査官が事前連絡なしにやって来るイメージを持つ方がいるかもしれません。
しかし税務調査は、電話などによる「事前通知あり」が原則です。
一方、例外的に事前通知を行わない、無予告調査も存在します。
これは飲食店や美容室、小売店といった日々の売上管理を現金で行っている業種に対して行われることが多い手法です。
事前に調査の連絡をしてしまうと、その間にレジの記録を改ざんしたり、帳簿を隠したりといった証拠隠滅を図る恐れがあるためです。
なお、「無予告調査」と悪質な脱税が疑われる場合に行われる「強制調査」とは全くの別物なので、混同しないようにしましょう。
税務調査の事前通知で通知される11項目
税務署が税務調査の事前通知を行う際には、納税者に対して以下の11項目を伝えなければならないと、国税通則法で定められています。
①実地の調査を行う旨
②調査開始日時
③調査を行う場所
④調査の目的
⑤調査の対象となる税目
⑥調査の対象となる期間
⑦調査の対象となる帳簿書類その他の物件
⑧調査対象者の氏名および住所または居所
⑨調査を行う職員の氏名および所属
⑩ ②または③は変更が可能であること
⑪調査の過程で④~⑦の事項について非違が疑われることとなった場合、その事項に関して調査を行うことができる旨
税務調査の事前通知が来てから当日までの流れ
税務調査の事前通知から当日までの流れは以下の通りです。
- 税務署から事前通知が来る
- 税務調査の日程を決める
- 当日に向けて準備をする
- 税務調査当日
- 必要に応じて修正申告
それぞれ詳しく解説します。
税務署から事前通知が来る
通常、調査希望日の1〜2週間前に、調査官から直接連絡が入ります。顧問税理士がいる場合、あなたではなく税理士に連絡が行くのが一般的です。
この段階で、1つ前の項目で紹介した11項目が伝えられます。
調査官からの突然の電話に、動揺してしまう方も少なくありません。
その場合は、「顧問税理士と相談して折り返します」や「スケジュールを確認して、こちらから改めてご連絡します」と伝え、落ち着いて対策を練ると良いでしょう。
関連記事:税務署からの電話の理由は税務調査?用件や取るべき行動を紹介
税務調査の日程を決める
税務署から提示された調査日時を、無条件に受け入れる必要はありません。正当な理由があれば日程の変更は可能です。
例えば税理士に立ち会いを依頼する場合、納税者・税理士・調査官の三者のスケジュールをすり合わせなければなりません。
また、税務調査当日に向けて万全の準備をするためにも、調査までにある程度の日数がある方が得策です。
当日に向けて準備をする
調査の日程が確定したら、当日に向けた準備を始めましょう。
まず、調査対象となる期間の帳簿書類と、その根拠となる証拠書類を整理します。証拠書類の例としては、領収書や契約書などがあります。
税理士に依頼している場合は、指示に従う形で準備を進められるので安心です。調査官の指摘を予測して、受け答えのシミュレーションを行うケースもあります。
関連記事:【個人向け】領収書なしは税務調査で不利になる!捨てた場合や現金手渡しの場合の対処法を解説
税務調査当日
1名から2名の調査官が事業所や店舗を訪れ、実地調査が行われます。個人事業主や小規模な法人であれば1日から2日間で完了するのが一般的です。
税務調査での鉄則は「聞かれたことにだけ、事実に基づいて簡潔に答える」ことです。
良かれと思って話した余計な一言が、かえって新たな疑問を生み、調査を長引かせる原因になるケースも少なくありません。
必要に応じて修正申告
調査官は持ち帰った資料などを精査し、後日、指摘事項をまとめて納税者か顧問税理士に伝えます。
その内容について双方が合意に至った場合、修正申告を行い、加算税や延滞税といった税金を納めます。
加算税や延滞税の納付をもって、税務調査は終了です。修正申告については、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:税務調査後に修正申告をする流れ!しないとどうなるか、加算税・延滞税の種類などを解説
税務調査の事前通知が来たらすぐに税理士に依頼すべき理由
以下3つの理由から、税務調査の事前通知が来た際は、早めの税理士への依頼をおすすめします。
- 準備や当日の対応によって追徴課税額は大きく変わるから
- 精神的な負担から解放されて本業に集中できるから
- 早めに依頼をした方が税理士もゆっくり準備ができるから
1つずつ詳しく見てみましょう。
準備や当日の対応によって追徴課税額は大きく変わるから
税務調査は、単に帳簿の正しさを確認するだけの場ではありません。申告内容は同じでも、当日の受け答えによって、追徴課税額が大きく変わります。
例えば専門知識のない納税者が一人で対応すると、調査官の指摘が妥当なものかを判断できず、不利な内容を受け入れてしまうかもしれません。
税理士は、専門知識を活かして調査官と粘り強く交渉します。
1,000万円の申告漏れと指摘されていたものが、数百万円にまで圧縮されるケースも少なくありません。
たしかに税理士への依頼には費用がかかります。しかし追徴課税額の減額によって、十分元を取れます。
関連記事:税務調査の追徴課税とは?5つの種類や各何パーセントか、払えないとどうなるかを解説
精神的な負担から解放されて本業に集中できるから
「税務調査の対象になった」という時点で、納税者にとっては大きなストレスです。
税務署からあれこれ調べられるのは、例え申告にやましい点がなくても、良い気持ちはしないでしょう。
事前通知を受けてから調査当日までの1〜2週間は、本業にも集中できないかもしれません。
税理士に依頼をすれば、こういった精神的な負担から解放されます。
当日は税理士の立ち会いがあるため安心です。また当日に向けた準備も、税理士の指示のもとで進められます。
「専門家が味方にいる」という安心感が、本業への悪影響を最小限に抑えてくれます。
早めに依頼をした方が税理士もゆっくり準備ができるから
税務調査の事前通知が来てから調査当日までは、1〜2週間程度の時間しかありません。
いくら税金のプロである税理士でも、準備期間は必要です。そのため、1日でも早く税理士に相談して、準備に着手してもらいましょう。
たとえ税務調査の前日でも、依頼できる税理士はいるかもしれません。しかし準備ができなければ、減額できる追徴課税額は少なくなります。
税理士への依頼にかかった費用の元すら取れないかもしれません。
関連記事:税理士に税務調査を依頼する際に知っておくべきことを1から10まで解説
事前通知なしで税務調査が来たらどうする?
事前通知なしの無予告調査は、強制捜査とは別物です。事前通知なしの無予告調査は、あくまで任意です。
そのため「顧問税理士に連絡し、指示を仰いでからでないと対応できません」のような理由を伝え、調査日を再設定するのが賢明な対応です。
その場で顧問税理士に連絡をして、代わりに対応してもらうのも良いでしょう。
しかし顧問税理士がいない場合、上記のような対応は取れません。この状態で、ゼロから税理士を探すのも大変です。
そのため、普段から確定申告を依頼するなどして、気軽に相談できる税理士を見つけておくのが理想です。
関連記事:確定申告を税理士に丸投げしたい個人事業主必見!費用や損に繋がるデメリットを紹介
税務調査の対応は永安税理士事務所にお任せください
永安栄棟税理士事務所では、税務調査完全サポートパックを提供しています。プランの詳細は以下の通りです。
- 事前打ち合わせ・資料確認
- 調査の立ち会い
- 税務署との調整
- 修正申告書の提出
料金は30万円〜となっており、要望に応じて最適なプランを提案させていただきます。
永安栄棟税理士事務所では、税務調査歴40年超の元特別国税調査官をはじめとしたスタッフが、豊富な経験をもとにサポートいたします。
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まとめ
税務調査の事前通知で伝えられること、その後の流れや税理士に依頼すべき理由などについて解説しました。
事前通知から税務調査当日までには、1〜2週間しかありません。少しでも追徴課税額を減らしたいのであれば、できるだけ早く税理士へ相談することをおすすめします。
追徴課税額の減額によって、税理士への依頼にかかった費用の元を取れるケースも少なくありません。
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また、そもそも税務調査の対象にならないように、正しく確定申告を行うことが大切です。
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