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確定申告

不動産投資で確定申告が必要なのは所得が20万円を超えてから!会社員向けに方法を分かりやすく解説

2025.07.17 13:30
不動産投資で確定申告が必要なのは所得が20万円を超えてから!会社員向けに方法を分かりやすく解説

給与所得とは別に、20万円以上の不動産所得がある会社員は、確定申告が必要です。

「確定申告の経験がなく、何から始めたら良いのか分からない」「そもそも確定申告が必要なのかを確認したい」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。

確定申告をせずに放置したり、申告内容が間違っていたりすると、追徴課税を課される可能性があるため要注意です。

今回は、不動産投資をする会社員の確定申告方法や無申告時の罰則、自力で行う際に必要なスキルなどについてまとめました。

税理士の立場から、難しい用語は極力使用せず、分かりやすく解説します。

記事を最後までチェックすれば、不動産投資を行う会社員の、確定申告に関する不安がひと通り解決します。

不動産投資で確定申告が必要なのは不動産所得が20万円を超えてから

副業として不動産投資を行う会社員は、不動産所得が20万円を超えると、確定申告が必要です。

確定申告とは?:
1年間の所得と所得税を計算し、税務署に申告・納税する手続きのこと。

この20万円という金額は、家賃収入の合計額ではありません。家賃収入を始めとする収入から、必要経費を差し引いた金額を指します。

不動産所得 = 収入 − 経費

副業をしていない会社員は、確定申告の必要がありません。会社が納税手続きを行っているからです。

しかし不動産所得のように、給与以外の所得が20万円を超えると、自身で確定申告を行わなければなりません。

不動産投資における確定申告は白色申告と青色申告に分かれる

確定申告には、白色申告と青色申告があります。両者の主な違いは、以下のとおりです。

白色申告青色申告
事前申請不要必要
特別控除なし10万円/65万円
帳簿付け簡易簿記簡易簿記:控除10万円
複式簿記:控除65万円
赤字の繰越なしあり

両者の違いについて、簡潔に解説します。

白色申告

白色申告は、事前の申請なく行える確定申告です。

青色申告と比べて帳簿付けが簡単だったり、提出書類・保存帳簿が少なかったりといった特徴があります。

そのため、とにかく確定申告に手間をかけたくない方におすすめです。

しかし、白色申告では特別控除を受けられません。また、赤字を繰り越せません。詳しい解説は省きますが、要するに青色申告と比べて、支払う税金が多くなります。

青色申告

青色申告を行うには、その年の3月15日までに、以下2つの書類を提出しなければなりません。

  • 開業届
  • 青色申告承認申請書

青色申告は、白色申告よりも複雑です。

しかしその分、特別控除を受けられます。つまり、所得の圧縮や節税が可能です。

特別控除額は記帳方法によって異なります。複式簿記を行った場合は、最大65万円の所得控除を得られます。この控除が青色申告における最大のメリットです。

また、青色申告では赤字を最大3年間繰り越せます。つまり赤字が出た場合、翌年以降の所得を圧縮でき、納税額を抑えられます。

手間のかからなさを重視するのであれば、白色申告でも構いません。しかし少しでも納税額を抑えたいのであれば、青色申告をおすすめします。

なお不動産投資を行う会社員が青色申告で65万円の控除を受けるには、「事業的規模」の基準を満たす必要があるため要注意です。

事業的規模とは?:
(1)貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること。
(2)独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。
出典:国税庁 No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分

上記は、5棟10室基準とも言われます。

上記に当てはまらない場合、青色申告はできても、10万円の控除までしか受けられません。

おすすめ記事:不動産投資にかかる税金、不動産所得における節税対策、青色申告のメリット、税理士は必要?

会社員が不動産投資で収益を得た際の確定申告方法

不動産所得が20万円を超える会社員の、大まかな確定申告の流れは以下のとおりです。

  1. 必要書類を集める
  2. 決算書を作成する
  3. 確定申告書を作成する
  4. 確定申告書を提出する

各ステップについて詳しく解説します。

必要書類を集める

確定申告の第一歩は、必要書類集めから始まります。必要書類は、不動産関連・経費関連・控除関連の3つに分類されます。

以下に詳細をまとめました。

不動産関連の必要書類経費関連の必要書類控除関連の必要書類
売買契約書各種税金の納付通知書火災保険の払込証明書
賃貸借契約書借入金の返済表源泉徴収票
家賃の振込明細領収書
売買時の精算書譲渡対価証明書

これらの書類を、確定申告の時期(2月16日〜3月15日)になってから集め始めるのは大変です。そのため、日頃から整理・保管しておきましょう。

また、記帳も日頃からこまめに行っておく必要があります。

決算書を作成する

集めた必要書類をもとに、1年間の不動産投資の成績をまとめた決算書を作成します。

決算書とは?:
一定期間の経営成績や財政状態をまとめた書類。税務申告や融資の審査、経営分析などに使われる。正式名称は「財務諸表」。

作成する決算書の種類は、確定申告の方法によって、以下のように異なります。

  • 白色申告の場合:収支内訳書
  • 青色申告の場合:青色申告決算書

青色申告決算書は、損益計算書と貸借対照表の2つで構成されています。

国税庁が公開する決算書の見本は、以下よりご確認ください。

>>収支内訳書はこちら
>>青色申告決算書はこちら

確定申告書を作成する

決算書の作成が完了したら、次はその内容を反映させて、確定申告書を作成します。

確定申告書に掲載される主な内容は、以下のとおりです。

  • 収入
  • 経費
  • 控除

以上から課税所得が明確になり、納付すべき税額が明らかになります。

簿記や会計の知識がある場合、クラウド会計ソフトを使って決算書や確定申告書を作成するのが一般的です。

国税庁が公開する確定申告書の見本は、以下よりご確認ください。

>>確定申告書はこちら

確定申告書を提出する

作成した確定申告書と決算書は、申告期間内に税務署へ提出します。提出期間は、原則として2月16日から3月15日までです。

提出方法は、大きく以下の3つに分かれます。

  • 税務署で直接提出
  • 郵送で提出
  • e-Taxで提出(オンライン)

なお、青色申告で65万円の特別控除を受けるためには、e-Taxでの提出が不可欠です。提出の手間の観点からも、他の提出方法ではなくe-Taxをおすすめします。

以上が不動産所得が20万円を超える会社員の、大まかな確定申告の流れです。

不動産投資の確定申告をしないとどうなる?

「確定申告をしなくてもバレないのでは?」と考えている方がいるかもしれません。

しかし無申告は、いずれ税務署に発覚し、税務調査の対象となります。

税務調査とは?:
納税者の申告内容が正しいかどうかを確認するために、税務署によって行われる調査。無申告者に対しても実施される。

税務調査で無申告が発覚すると、延滞税や無申告加算税が課されるため要注意です。

延滞税とは?:
税金の一部または全部を期限までに納税しない場合に課される税金。上限は14.6%。

無申告加算税とは?:
税金の申告を期間内に行わなかった場合に課される税金。50万円までは15%、50万円を超える部分は20%。

不動産所得が20万円を超えているのであれば「確定申告をしない」という選択肢はありません。

関連記事:個人も法人も「無申告でも税務調査が来ない」は間違い!来る確率や今からできる対策を紹介

不動産投資の確定申告を自力で行う際に必要なスキル

不動産投資で得た所得の確定申告を自力で行う場合、以下2つのスキルが必要です。

  • 記帳
  • 会計ソフト

一つずつ簡潔に解説します。

記帳

記帳とは、日々の家賃収入や経費の支払いを、会計ルールに従って帳簿に記録する作業です。この帳簿が、決算書や確定申告書などを作成する書類の土台になります。

求められる記帳のスキルは、白色申告か青色申告かによって異なります。

青色申告で65万円の控除を得るには、複式簿記が必要です。複式簿記による記帳を自力で行うには、簿記2級以上のスキルが求められます。

記帳は代行を依頼することが可能です。詳しくは、以下の記事で解説しています。

関連記事:記帳代行とは?税理士丸投げ時の費用相場や依頼先の選び方を解説

会計ソフト

何十年も前の確定申告は、手書きで行われていました。

しかし現在は、会計ソフトの登場によって、確定申告に関する作業が大幅に効率化されています。

とはいえ、会計ソフトを用いれば誰もが自力で確定申告を行えるわけではありません。

結局は、会計ソフトの使い方を一つひとつ調べながら確定申告をすることになるでしょう。

また、誤った内容を申告してしまったり、自力では最後まで確定申告ができなかったりする可能性もあります。

自力での確定申告には、簿記と会計ソフトに関する知識が欠かせません。

不動産投資の確定申告は税理士への依頼がおすすめ

以下3つの理由から、不動産投資の確定申告は税理士への依頼がおすすめです。

  • 面倒な手間から解放されるから
  • 正しく確定申告ができるから
  • 節税効果で十分元を取れるから

それぞれ詳しく見てみましょう。

面倒な手間から解放されるから

確定申告には、膨大な時間がかかります。

日中は仕事をして、空いた時間で不動産投資をして、さらに確定申告まで行うのは大変です。

特に初めて確定申告を行う場合、一つずつ調べながらになるため、余計に時間がかかるでしょう。ストレスにもなります。

税理士に確定申告を依頼すれば、面倒な手間から解放されます。あなたがやるべきことは、定期的な打ち合わせと、領収書や通帳のコピーなどの共有だけです。

確定申告は税理士に任せて、本業や不動産投資にフルコミットできるでしょう。

確定申告に時間を取られるあまり、本業や不動産投資が中途半端になってしまっては、本末転倒です。

正しく確定申告ができるから

税理士は、確定申告のプロです。税理士に依頼をすれば、正しく確定申告ができます。

無理をして自力で確定申告を行い、「これであっているのかな」と不安になることはありません。

例えば、経費にできる範囲の判断や減価償却の計算などは簡単ではありません。

また、適当に確定申告をして、税務調査の対象になるリスクもなくなります。

税務調査で誤りが見つかると、追徴課税の対象となります。その後に「きちんと確定申告をしておけば良かった」と後悔するケースも珍しくありません。

税務調査については以下の記事で解説していますが、そもそも対象にならないように、丁寧に確定申告をすることが大切です。

関連記事:税理士への税務調査立ち会い依頼時の費用相場は30〜70万円!メリットや流れを解説

節税効果で十分元を取れるから

税理士に確定申告を依頼する場合、月1〜3万円の費用がかかります。

しかしその分、以下のメリットが得られます。

  • 確定申告への不安や手間から解放される
  • 正しく最大限の節税ができる

たしかに税理士への依頼には費用がかかりますが、節税効果だけで十分元を取れるケースも珍しくありません。

例えばなかには、面倒だからと毎年青色ではなく、白色で確定申告をする方もいます。

こういった方が税理士に依頼をして青色申告を行えば、それだけで65万円の控除を受けられ、大きな節税になります。

税理士への確定申告の依頼については、以下の記事で解説しているので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。

関連記事:確定申告を税理士に丸投げしたい個人事業主必見!費用や損に繋がるデメリットを紹介

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まとめ

不動産投資をする会社員の確定申告方法や無申告時の罰則、自力で行う際に必要なスキルなどについて解説しました。

不動産所得が20万円を超える会社員は、確定申告が必要です。

無申告や誤りは、追徴課税のリスクがあります。そのため正しい申告が欠かせません。

確定申告に関する知識や経験を持ち合わせていない場合には、税理士への丸投げ依頼がおすすめです。

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