企業や個人事業主が記帳を税理士に代行してもらうサービスを記帳代行と言います。
「記帳が面倒だから税理士に丸投げしてしまいたい」「だけどどうやって依頼をすれば良いのか分からない」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、そもそも記帳代行とは何なのか、税理士に丸投げすべき理由、費用相場や依頼先の選び方についてまとめました。
税理士の目線から、記帳に関する知識を持たない個人事業主や中小企業経営者に向けて、分かりやすく解説をします。
記事を最後までチェックすれば、面倒な記帳に関する悩みがなくなり、本来の業務にコミットできますよ。
目次
税理士に依頼できる記帳代行とは?
記帳代行とは文字通り、企業や個人事業主が記帳を税理士に代行してもらうサービスです。
税理士に領収書や通帳のコピーなどの必要書類を渡すだけで、面倒な記帳の業務(仕分・会計ソフトへの入力など)を丸投げできます。
記帳代行は、記帳に時間や労力を割きたくない方や、正しいやり方が分からない方におすすめです。
そもそも記帳とは?
そもそも記帳とは、事業におけるお金の動きを帳簿に記録する作業です。
記帳では、売上・経費・給料・税金の支払いなど、あらゆる金銭的な取引を正確に記録します。
例えば銀行の通帳には、入金・出金・振り込みなどのお金の流れに関する情報が記されています。企業や個人事業主にとっての記帳は、それをさらに複雑にしたものだと考えてください。
以下は3月1日に2万円の机を購入した場合の記帳例です。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
3月1日 | 消耗品 | 20,000 | 現金 | 20,000 | 机 XX商店 |
記帳では銀行の通帳とは異なり、上記のような取引を1つずつ自身で記載しなければなりません。
記帳は経営状況の把握に役立ちます。また確定申告のために必要です。
記帳代行は税理士に丸投げすべき3つの理由
記帳は自身で行うのではなく、税理士への丸投げがおすすめです。理由は以下の3つです。
- 時間と労力を節約できるから
- 正しく記帳できているかなどの不安を感じずに済むから
- それほど大きな費用はかからないから
それぞれ詳しく見てみましょう。
時間と労力を節約できるから
記帳では、金銭的な取引を1つずつ丁寧に記録します。よって時間と労力がかかります。
事業が成長して取引が増えたり、記帳に関する知識がなかったりする場合は尚更です。
確定申告直前に、書籍やインターネットで調べながら、何十時間もかけて記帳を行っている方もいます。
また毎月コツコツ記帳をするのも、それはそれで面倒です。
確定申告には、白色申告と青色申告があります。2014年以前であれば、白色申告者には記帳の義務がありませんでした。
しかし2014年1月以降は、すべての企業や個人事業主に記帳の義務があります。
税理士に記帳代行を丸投げしてしまえば、時間と労力を節約できます。これまで記帳に費やしていた時間や労力を、本来の業務に充てられるでしょう。
正しく記帳できているかなどの不安を感じずに済むから
税理士に頼らず、自力で記帳をする方もいます。しかし記帳の知識がないと「本当にあれで合っているのかな…」と不安になります。
定期的に記帳について思い出して不安を感じるのは、ストレスですよね。
記帳が間違っていると、控除が受けられなかったり本来経費にできる項目をできなかったりして、税金面で損をしかねません。
また税務調査で間違いを指摘されて、加算税や延滞税を支払うことになるかもしれません。
税金のプロである税理士に記帳代行を依頼すれば、こういった不安は一切感じずに済みます。
税理士には税務相談も可能なので「困ったときは何でも相談できる」という安心感があります。
それほど大きな費用はかからないから
「税理士への依頼」と聞くと「お金がかかりそうだな」といったイメージをお持ちの方も多いでしょう。
しかし税理士への記帳代行の丸投げには、それほど大きな費用はかかりません。
詳しい費用については後述しますが、月額1万円台からでも記帳代行は依頼できます。記帳代行に加えて税務関連書類の作成代行まで依頼をしても、この費用です。
税理士に記帳代行を丸投げするメリットは以下のとおりです。
- 最大限の節税ができる
- 自身で記帳をする時間と労力を節約できる
- 記帳ミスのリスクを最低限に抑えられる
確かに記帳代行の税理士への丸投げには一定の費用がかかります。
しかし節税効果がありますし、時間と労力の節約もできます。さらに記載ミスによる加算税や延滞税のリスクを抑えられるため、コストパフォーマンスの高い選択肢であると言えるでしょう。
記帳代行の依頼先は税理士だけじゃない!3つの選択肢を紹介
実は記帳代行は、税理士以外にも依頼できます。ここでは、記帳代行を依頼できる以下3つの選択肢について紹介します。
- 記帳代行会社
- フリーランス
- 税理士
1つずつ特徴や違いを見てみましょう。
記帳代行会社
特定の資格を持つ人だけが携われる業務を独占業務と言います。例えば、確定申告書の代理作成や税務相談は税理士の独占業務です。
そして「記帳」は、税理士の独占業務ではありません。よって記帳の代行のみを行う「記帳代行会社」が存在します。
記帳だけを依頼したいのであれば、記帳代行会社への依頼がおすすめです。税理士への依頼と比べて費用を抑えられるからです。
しかし「記帳だけ」を依頼する個人事業主や中小企業経営者はほとんどいません。すべて自力で対応するか、記帳に加えて税務関連書類の作成や税務相談まで丸投げするかのどちらかです。
税務に関する十分な知識がない場合、記帳以外の会計業務をすべて自力で対応するのは困難です。よって記帳代行会社よりも、他の業務まで丸投げできる税理士をおすすめします。
フリーランス
企業に属さず、フリーランスとして記帳代行の業務を請け負っている方もいます。
フリーランスへは、ココナラを始めとするクラウドソーシングサイトから依頼可能です。
▲ココナラでの「記帳代行」の検索結果は739件(2024年9月9日時点)
フリーランスには、税理士もいれば、記帳代行会社のように税理士資格を持たない方もいます。
フリーランスに記帳代行を依頼する最大のメリットは費用です。企業を挟まないので、今回紹介する3つの選択肢のなかで、最も低価格で記帳代行を依頼できます。
しかしフリーランスには、信頼性に欠けるというデメリットがあります。依頼先によってスキルには天と地の差がありますし、ほとんど初心者のような方がサービスを提供しているケースも珍しくありません。
最悪の場合、途中で連絡がつかなくなることもあります。そして「良いフリーランスと悪いフリーランス」を見極めるのは困難です。
他の業務であれば、フリーランスに依頼をするという選択肢もあるでしょう。しかし記帳のような会計業務は、信頼できる企業への依頼がおすすめです。
税理士
記帳代行は、記帳代行会社やフリーランスへも依頼できます。しかし、一番のおすすめはやはり税理士です。
税理士が税務に関して最も高い知識を持っているのは、言うまでもありません。また税理士には、記帳代行のみならず独占業務である税務関連書類の作成や税務相談まで依頼できます。
確かに税理士への依頼は、今回紹介した3つの選択肢の中で最も費用がかかります。しかしそれでも、月額1万円台から記帳代行や税務関連書類の作成などを丸投げ可能です。
また前述のとおり、税理士に記帳代行を丸投げして、記帳に関する不安をなくしておくメリットは大きいです。
最大限の節税ができたり時間や労力を本来の業務に充てられたりして、十分元を取れるでしょう。
税理士資格がない人への記帳代行依頼は税理士法違反になるって本当?
前述のとおり、記帳代行に税理士資格は不要です。
よって記帳代行会社や税理士資格を持たないフリーランスに記帳代行を依頼しても、税理士法違反にはなりません。
しかし以下の3つは、税理士の独占業務となっています。
- 税務書類の作成
- 税務代理
- 税務相談
税理士資格を持たない方が上記の独占業務を行うと、税理士法違反で「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科される可能性があります。
記帳代行を依頼すると、それ以外の業務まで丸投げしたくなる方が大半なので、税理士への依頼がおすすめです。
税理士などに記帳代行を依頼する際にかかる費用相場
大半の税理士は記帳代行のみならず、税務関連書類の作成も込みのサービスを提供しています。
税理士に記帳代行を依頼する際の費用は月額制となっており、相場は月2〜4万円ほどです。
続いて記帳代行会社は、税理士とは異なり記帳代行のサービスのみを提供しています。
記帳代行会社に依頼をする際の費用は従量制となっており、仕訳の数に応じて変動します。記帳代行会社の費用相場は、100仕訳につき1万円ほどです。
費用としては記帳代行会社の方がお得です。しかし税理士の方がサービスが充実しています。
また従量制ではないため仕訳の数が増えた月でも安心です(仕訳の数が増えすぎると追加料金がかかるケースもあり)。
記帳代行の丸投げ依頼先の選び方
記帳代行の丸投げ依頼先を選ぶ際は、以下3つの点を意識しましょう。
- 信頼性で選ぶ
- 手間のかからなさで選ぶ
- 料金で選ぶ
1つずつ詳しく解説します。
信頼性で選ぶ
記帳代行の丸投げ依頼先を選ぶ上で最も大切なのが信頼性です。なぜなら記帳を間違うと、以下のようなリスクがあるからです。
- 節税ができない
- 加算税や延滞税を支払わなければならない
- 企業や金融機関からの信頼を失う
よって、記帳代行の丸投げは税理士への依頼がおすすめです。
前述のとおり、フリーランスは信頼性に欠けます。そして簿記資格しか持たない記帳代行会社と税理士資格を持つ税理士であれば、後者の方が信頼できるのは言うまでもありません。
手間のかからなさで選ぶ
「記帳代行を依頼したいが、打ち合わせとか面倒そう…」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
そういった方には、オンラインで完結する記帳代行サービスがおすすめです。
まだ少ないですが、最近では領収書などの必要書類は郵送、打ち合わせはZoomといった形で、フルリモートで完結する記帳代行サービスが徐々に増えてきています。
フルリモートのサービスであれば、居住地に関係なく、どこからでも依頼ができます。
料金で選ぶ
記帳代行の費用相場はある程度決まっています。
例えば税理士に記帳代行を依頼する際の費用相場は月2〜4万円であるとお伝えしました。
しかし月2万円以下で依頼できる税理士事務所もあれば、月4万円以上かかるところもあります。
希望するサービスを受けられて、尚且つ料金もお得な、コストパフォーマンスが高い依頼先を探してみましょう。
永安栄棟 公認会計士・税理士事務所なら、費用を抑えつつ記帳を税理士に丸投げできる
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個人事業主向けの確定申告丸投げパックは月1万円から、法人向けの経理代行・税務申告丸投げパックは月2万円からご依頼いただけます。
具体的なサービス内容は以下のとおりです。
- 日々の会計帳簿記帳
- 決算書の作成
- インボイスへの対応
- 法人税申告書の作成
- 消費税申告書の作成
- 確定申告書の作成
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弊所は兵庫県にある税理士事務所ですが、日本全国どこからでもご依頼いただけます。ぜひ以下より、丸投げパックについてチェックしてみてください。
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まとめ
そもそも記帳代行とは何なのか、税理士に丸投げすべき理由、費用相場や依頼先の選び方について解説しました。
結論、記帳業務はプロに任せるのが一番です。
税理士に記帳代行を依頼すれば、「これで合っているのかな?」といった不安や、面倒な業務から解放されます。
永安栄棟 公認会計士・税理士事務所でも、個人事業主や中小企業経営者のための丸投げプランを提供しています。日々の記帳業務にお悩みの方は、ぜひチェックしてみてください。
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