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法人税対策に欠かせない!減価償却費を活かした節税の仕組み

2025.07.16 13:25

減価償却資産を取得した場合、基本的には複数年にわたって資産を償却することになりますが、償却方法を工夫することで、法人税の負担軽減を図ることが可能です。

ただし、企業の経営状況や収益の見通しによって、最適な減価償却資産の購入時期や償却方法の選択肢が異なる点には注意が必要です。

本記事では、減価償却の基本的な考え方と、節税対策としての具体的な活用方法について解説します。

法人税対策における減価償却の重要性

減価償却は、事業者が取得した事業用資産の購入費用を一定期間に分割して計上する制度です。

原則として、一括での経費計上はできませんが、継続的に税負担を軽減できるというメリットがあります。

償却方法には複数あり、選択する方法によって各事業年度の損金算入額が変動するため、減価償却資産を取得した際には、償却方法の検討が不可欠です。

たとえば、減価償却方法の一つである定率法は、初期に多くの減価償却費を損金算入できるため、収益が高く見込まれる期間に節税効果を高めることが可能です。

また、特別償却や即時償却を活用することで、設備投資後の負担を軽減しつつ、事業成長を支える財務戦略の構築も期待できます。

減価償却費の適正な計上は、財務諸表の透明性にも影響を及ぼすため、長期的な視点で資金管理と税務対策を計画的に進めることが重要です。

減価償却を活かした節税の具体策

法人税の負担を軽減するためには、減価償却の方法を適切に選択し、計画的に活用することが求められます。

減価償却方法の特徴

減価償却の主要な計算方法には、「定額法」「定率法」「生産高比例法」「リース期間定額法」があります。

定額法は、毎年一定額を償却する方式であり、長期的に安定した財務計画の策定が可能です。

定率法は、初年度の償却額が大きく、その後徐々に減少する方式で、収益が高い初期段階において節税効果を高めやすい点が特徴です。

生産高比例法は、実際の使用量や生産量に応じて償却額を算出する方式であり、製造業など設備の稼働率に変動がある業種で利用されます。

リース期間定額法は、リース契約に基づく資産を対象とし、リース期間中に均等に償却する方式です。

なお、減価償却資産の種類によって法定の償却方法が定められていますが、所定の届出を行うことで、法定外の償却方法を選択することも可能です。

特別償却・即時償却による初期費用の圧縮

特別償却や即時償却は、一定の条件を満たす資産に適用される減価償却の優遇措置です。

特別償却は、通常の償却額に加えて一定の割合を上乗せして計上できる制度であり、大規模な設備投資を行う際に有効です。

即時償却は、対象資産の取得費用を一括で経費計上できるため、初年度の税負担を大幅に軽減できるメリットがあります。

中小企業が活用すべき税制優遇制度

中小企業向けには、法人税の負担軽減を目的とした特例措置が複数用意されています。

たとえば、中小企業経営強化税制では、一定の要件を満たす設備投資に対して、特別償却または税額控除が適用される仕組みがあります。

また、青色申告の届出を行っている法人であれば、取得価額30万円未満の減価償却資産について、全額を一括で損金算入することが可能です。

なお、税制優遇措置には期間限定のものも多く含まれているため、制度が創設されたタイミングで減価償却資産を取得し、特例制度を適用することで、より効果的に節税を図ることができます。

<少額減価償却資産の特例の特徴>

出所:少額減価償却資産の特例(中小企業庁)

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/tokurei/syougaku_shisan.html

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減価償却費の経費計上で指摘されやすいポイント

減価償却資産は高額になりやすいため、税務調査では計上内容の細部まで確認されることが多くあります。

耐用年数の誤り

税務調査では、減価償却資産に適用する耐用年数の誤りが指摘されるケースがあります。

たとえば、法定耐用年数を正しく適用していない場合、減価償却費の計算に誤差が生じ、結果として過剰な経費計上と見なされるおそれがあります。

こうした誤りを防ぐためには、各資産に定められた法定耐用年数を正確に把握し、適切に処理を行うことが求められます。

償却開始時期の誤り

減価償却の開始時期は、「購入した日」ではなく、「事業の用に供した日」と定められています。

「事業の用に供した日」とは、減価償却資産が本来の目的に沿って実際に使用を開始した日を指します。

たとえば、事業用機械を購入した場合、その機械によって製品の生産を開始した日が償却開始の基準となり、単に工場内に搬入しただけでは、使用を開始したとは認められません。

据付作業や試運転が完了するまでに時間を要する場合は、減価償却を開始する事業年度が遅れる可能性があるため、事前の計画と管理が重要です。

特別償却・即時償却の適否

企業が特別償却や即時償却を適用する際は、事前に適用要件を正確に確認しておく必要があります。

特例措置を活用した後に適用を否認されると、課税所得や税務申告に大きな影響を及ぼすおそれがあるため、減価償却の計算方法や適用基準を正しく理解し、適切に処理を行うことが求められます。

また、取得価額が30万円未満の減価償却資産に対する即時償却の特例は、中小企業者等に限定されているため、自社が該当するかどうかを事前に確認してください。

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事業成長に貢献する減価償却の活用法

減価償却は、単なる会計処理にとどまらず、企業の成長戦略に直結する重要な要素です。

経営者には、設備投資の計画やキャッシュフローの改善を踏まえたうえで、減価償却を効果的に活用することが求められます。

設備投資と減価償却の長期戦略

企業が持続的に成長するためには、設備投資のタイミングと減価償却の計画を慎重に立てることが不可欠です。

たとえば、新規事業の展開や生産性向上を目的とした設備投資を行う場合、適用する減価償却方法によって財務に与える影響は大きく異なります。

定率法は、初期に多くの償却費を計上できるため、節税効果を早期に得るとともに、資金繰りの負担を軽減できます。

また、特別償却制度を活用すれば、設備投資額の一部を初年度に多く償却できるため、投資負担を抑えながら事業拡大を図ることが可能です。

キャッシュフロー改善に役立つ減価償却の使い方

減価償却の方法を適切に選択することで、キャッシュフローの改善にも寄与することができます。

安定した収益基盤を持つ企業では、定額法を用いて毎年一定額の減価償却を行うことで、長期的な財務計画の策定が容易になります。

一方、収益の変動が大きい企業では、初年度に償却費を多く計上できる定率法を活用することで、キャッシュフローへの圧迫を抑える効果が期待できます。

また、即時償却制度を活用すれば、特定の設備投資について取得費用を一括で経費計上できるため、資金流出を最小限に抑えることが可能です。

このように、減価償却の活用方法を見直し、キャッシュフローの最適化を図ることで、財務健全性を維持しながら安定的な成長を目指すことができます。

最新の税制改正を考慮した減価償却の見直し

経営者は、税制改正の内容についても定期的に確認することが求められます。

減価償却制度は、税制改正により適用条件や計算方法が変更されることがあります。

たとえば、法人向けの特別減価償却措置が新たに導入された場合には、対象となる設備投資を計画的に実施することで、税額控除などを受けられる可能性があります。

また、国は環境対応設備やデジタル化推進のための設備投資に対する優遇措置を拡充する傾向にあるため、現行制度はもちろん、税制改正で新たに創設された制度も積極的に活用して、長期的な節税戦略と事業の発展を両立させることが重要です。

まとめ

減価償却資産を取得する際は、適切な方法を選択することで、税負担を抑えつつ財務の健全性を確保することが可能です。

特別償却や即時償却といった制度を上手に活用すれば、節税効果に加え、資金繰りの安定化や成長戦略の推進にもつながります。

なお、最新の税制改正を経営者が漏れなく把握することは容易ではないため、税理士と緊密に連携し、実効性の高い節税対策を講じることが重要です。

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