インボイス登録後の確定申告はいくらから?しないとどうなる?やり方を解説 | 神戸の税理士|永安栄棟 公認会計士・税理士事務所
確定申告
個人事業主
インボイス

インボイス登録後の確定申告はいくらから?しないとどうなる?やり方を解説

2025.12.05 10:00
インボイス登録後の確定申告はいくらから?しないとどうなる?やり方を解説

インボイスに登録した時点で、売上に関わらず消費税の確定申告が必要です。

「売上が少ないからバレないだろう」と確定申告をしないと、税務調査の対象になり追徴課税を課されます。

今回はインボイス登録後の確定申告はいくらからか、しないとどうなるか、具体的なやり方などについてまとめました。

税理士の立場から、難しい用語は極力使用せず、分かりやすく解説します。

記事を最後までチェックすれば、インボイス発行事業者が、確定申告で何をどうすれば良いのかが明確になります。

インボイス登録後の確定申告はいくらから?

インボイス発行事業者として登録をした時点で、売上金額に関わらず、すべての事業者に消費税の申告義務が発生します。

「売上が〇〇万円以下なら申告しなくていい」というボーダーラインは存在しません。

例え年間の売上が数十万円であっても、消費税の確定申告を行い、納税しなければなりません。

なお、インボイス登録をしていない場合は、売上1,000万円を超えると消費税の確定申告が必要になります。

多くの方が混同しやすいのが、所得税の確定申告と消費税の確定申告です。

これまで皆さんが行ってきた白色申告や青色申告は、あくまで1年間の「所得」に対する「所得税」を計算するための手続きです。

インボイス登録によって発生するのは、これとは全く別の「消費税」の申告義務となります。

所得税の申告は、所得金額によっては不要です。一方、消費税の申告は、インボイスに登録している限り所得などに関係なく必要です。

インボイスに登録して確定申告をしないとどうなる?

「売上も少ないし、バレないだろう」と安易に考えて消費税の申告を無視すると、以下のような事態に陥ります。

  • 税務署に確実にバレる
  • 税務調査の対象になる
  • 追徴課税を課される

それぞれ詳しく解説します。

税務署に確実にバレる

インボイスに登録して、消費税の確定申告をしないと、高い確率で税務署にバレてしまうでしょう。

インボイス発行事業者に登録すると、一人ひとりに固有の「登録番号(Tから始まる13桁の番号)」が付与されます。

あなたの取引先は、あなたから受け取った請求書に記載されたこの登録番号を使って、税務署に対して「仕入税額控除」の申告を行います。 

仕入税額控除とは:
事業者が商品やサービスを仕入れる際に支払った消費税を、売上時に受け取った消費税から差し引いて納税額を計算する制度。

それにもかかわらず、その登録番号の持ち主であるあなたから消費税の申告・納税がなければ、簡単に税務署にバレてしまいます。

関連記事:【個人事業主向け】「無申告でも税務調査が来ない」は間違い!来る確率や今からできる対策を紹介

税務調査の対象になる

無申告の状態が続けば、高い確率で税務調査の対象となります。

例えば令和5年7月から令和6年6月までの1年間で、合計26,576件の消費税に関する税務調査が実施されました(出典:国税庁 令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況 4ページ)。

そのため「自分のような小規模な個人事業主には調査なんて来ない」という考えは間違いです。

税務調査の対象になると、精神的、時間的、そして金銭的に大きな負担を強いられます。

関連記事:税務調査が入るとやばい?いくら取られる?どうなるのかを具体的に解説

追徴課税を課される

令和5年7月から令和6年6月までの1年間で、合計26,576件の消費税に関する税務調査が実施されたとお伝えしました。

そして、約82.8%にあたる22,014件で、申告漏れなどの非違を指摘されています。つまり大半の方が、追徴課税を課されています。

追徴課税1件あたりの平均額は、延滞税が110万円、加算税が25万円です。

わずかな税金を惜しんだ結果、大きな損失を負ってしまいます。

関連記事:税務調査の追徴課税とは?5つの種類や各何パーセントか、払えないとどうなるかを解説

インボイスに登録した場合と、していない場合で確定申告のやり方は変わる?

インボイスに登録していない免税事業者の場合、行うべき確定申告は、所得税の申告のみです。消費税の申告をする必要はありません。

インボイス登録をしていない課税事業者の場合、所得税と消費税両方の申告をしなければなりません。

そしてインボイス登録をしている場合、売上規模に関わらず、消費税の申告をする必要があります。また、所得が95万円を超える場合、所得税の申告も必要です。

このように、インボイス登録の有無や売上規模などによって、申告すべき税金の種類や数が異なります。

当然、申告すべき税金が増えるほど、手続きは複雑になります。

インボイス登録をした個人事業主の確定申告のやり方・書き方

インボイス登録をした個人事業主の確定申告のやり方・書き方は、以下のとおりです。

  • 必要書類を集める
  • 消費税を算出する
  • 消費税申告書を作成する
  • 消費税申告書を提出して消費税を納税する

1つずつ詳しく見てみましょう。

必要書類を集める

まずは申告に必要な書類やデータを集めます。基本的には、所得税の確定申告で使う書類と同じです。

消費税の計算においては、税率ごとに集計をする「区分経理」が重要です。

売上に関しては、インボイスの控えを整理し、標準税率(10%)の売上と軽減税率(8%)の売上が混在していないか確認しましょう。

経費に関しては、インボイス登録をした業者からの仕入れと、登録なしの業者からの仕入れを分けて集計しましょう。

これらの基礎データを確定申告時期(2〜3月)にあわてて集めるのではなく、日頃から整理しておくことが大切です。

消費税を算出する

書類が揃ったら、納めるべき消費税額を算出します。

計算方法は、以下の3つです。

  • 一般課税
  • 簡易課税
  • 2割特例

一般課税では、売上で預かった消費税から、経費で支払った消費税を差し引いて計算します。

一般課税:消費税=売上で預かった消費税 − 経費で支払った消費税

簡易課税では、業種ごとに決められたみなし仕入れ率を用いて消費税を算出します。

簡易課税:消費税=売上で預かった消費税 − (売上で預かった消費税×みなし仕入れ率)

2割特例の計算方法は、以下のとおりです。

2割特例:消費税=売上で預かった消費税 − (売上で預かった消費税×80%)

これら3つの中から、自分に適用できる方法かつ納税額が最も低くなる方法を選びます。

消費税申告書を作成する

税額が決まったら消費税の申告書を作成します。

申告書は、一般用と簡易課税用に分かれています。雛形は以下よりご確認ください。

消費税の確定申告書は、所得税の確定申告書とはまったく別の様式です。

消費税申告書を提出して消費税を納税する

申告書が完成したら、税務署へ提出し、納税を行います。提出方法は、e-Tax(電子申告)、郵送、税務署窓口への持参のいずれかです。 

所得税の確定申告期限は原則「3月15日」ですが、消費税の申告・納付期限は原則「3月31日」となっています。

消費税の確定申告については、以下の記事でも詳しく解説しています。

関連記事:消費税確定申告のやり方をわかりやすく解説!計算方法や所得税の申告との違いについても

インボイス発行事業者の確定申告における2割特例とは?

2割特例とは:
インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者となった方が、3年間、納付税額を売上に係る消費税額の2割とすることができる特例。

インボイス発行事業者かつ、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の場合は、この2割特例を受けられます。

個人事業主の場合、基準期間は「2年前」です。

例えば売上が500万円の場合、単純計算で消費税は10%の50万円です。2割特例の場合、50万円の20% である10万円を納付するだけで済みます。

2割特例には、納税額を大幅に抑えられる点だけでなく、複雑な計算が不要なため事務負担が劇的に軽減されるというメリットもあります。

2割特例について詳しく知りたい方は、国税庁の以下ページをご確認ください。

出典:国税庁 消費税2割特例 特設ページ

インボイス発行事業者の確定申告は税理士への依頼がおすすめ

以下3つの理由から、インボイス発行事業者の確定申告は、税理士への依頼がおすすめです。

  • 消費税が加わることで手続きがより複雑になるから
  • 税務調査のリスクを減らせるから
  • 最大限の節税ができるから

それぞれ詳しく見てみましょう。

消費税が加わることで手続きがより複雑になるから

前述の通り、消費税の申告が加わることで、手続きの負担は倍増どころではありません。

特に「標準税率(10%)と軽減税率(8%)の区分」「課税取引・非課税取引の判定」など、専門的な知識がないと判断に迷う場面が多々あります。

また、会計ソフトを使っていても、初期設定や入力区分を間違えれば、出力される数字も誤ったものになるでしょう。

プロに任せることで、これらの複雑な手続きから解放され、本業に集中できるようになるでしょう。

税務調査のリスクを減らせるから

消費税の申告ミスがあると、税務調査のリスクは高まります。

税理士に依頼し、代理送信を行ってもらうことで、申告書の信頼性や正確性は格段に向上するでしょう。

また、税理士は「税務調査でどこが見られるか」を熟知しています。そのため、事前にリスクのある処理を修正し、適正な申告ができます。

万が一税務調査が入った場合でも、税理士が窓口となって調査官と対応・交渉してくれるため、安心感を得られるでしょう。

関連記事:個人事業主が税務調査対象になる確率は0.5%なのに通知が来た!流れや今からできる準備を紹介

最大限の節税ができるから

消費税の計算方法は、以下の3つです。

  • 一般課税
  • 簡易課税
  • 2割特例

どの方法を選ぶかで、納税額が数万〜数十万円単位で変わるケースもあります。

一般的には、2割特例を活用できるに越したことはありません。しかし、必ずしも2割特例が一番お得とは限りません。

例えば、卸売業など原価率が高い業種では簡易課税の方が有利な場合もあります。

税理士に依頼すれば、これらの計算方法をすべてシミュレーションした上で、あなたの事業にとって最も納税額が少なくなる方法を提案してくれます。

また、消費税だけでなく、所得税の面でも漏れのない経費計上や控除の活用をアドバイスしてくれるでしょう。

たしかに税理士への依頼には、費用がかかります。しかし節税効果や手間の削減で、十分元を取れる選択肢です。

関連記事:確定申告を税理士に丸投げしたい個人事業主必見!費用や損に繋がるデメリットを紹介

インボイス発行事業者の確定申告は永安税理士事務所におまかせください

インボイス発行事業者の確定申告は永安税理士事務所におまかせください

永安栄棟税理士事務所では、インボイス発行事業者を含めた個人事業主や中小企業向けに「確定申告丸投げパック」を提供しています。

サービス内容は以下のとおりです。

  • 日々の会計帳簿記帳
  • インボイスへの対応
  • 消費税申告書の作成
  • 確定申告書の作成
  • 税務署への電子申告

文字通り、確定申告に関する業務をすべて丸投げしていただけます。

料金は以下の通りです。

売上規模月額料金
〜1000万円1万円(12万円)
〜2000万円2万円(12万円)

※()内は年に一度の確定申告報酬

弊所のような丸投げプランを提供する税理士事務所は、多くありません。なぜなら税理士事務所にとって、あまり利益にならないからです。

そのような中、永安栄棟税理士事務所は以下3つの工夫によって、相場より安い価格での丸投げパックの提供を可能としています。

  • お客様とのやり取りを完全オンライン化
  • 単純作業のシステム化
  • AIの活用

弊所は兵庫県にある税理士事務所ですが、日本全国どこからでもご依頼いただけます。ぜひ以下より、丸投げパックについてチェックしてみてください。

無料の面談も行っています。

>>インボイス完全対応「確定申告丸投げパック」を詳しく見てみる

まとめ

インボイス登録後の確定申告はいくらからか、しないとどうなるか、具体的なやり方などについて解説しました。

インボイス登録事業者は、全員消費税の申告が必要です。申告方法には、一般課税、簡易課税、2割特例の3つがあります。

確定申告に関する知識や経験を持ち合わせていない場合には、税理士への丸投げ依頼がおすすめです。

永安栄棟税理士事務所では、月1万円〜にて「確定申告丸投げパック」を提供しています。詳しい情報は、以下よりぜひチェックしてみてください。

>>インボイス完全対応「確定申告丸投げパック」を詳しく見てみる

カテゴリから記事をさがす