節税と脱税は一見似ているように見えますが、根本的な性質は大きく異なります。
節税のつもりで行った処理でも、税務調査で脱税と判断されるケースもあるため、事業者には正しい方法で税金を減らす姿勢が求められます。
本記事では、節税と脱税の違いおよび、誤解しやすいポイントをわかりやすく解説します。
目次
節税と脱税を正しく理解するための基礎ポイント
節税は合法的な手段ですが、脱税は明確な違法行為であるため、発覚した場合には重いペナルティが課されます。
節税とは何か
節税とは、税法で認められた範囲の中で税負担を軽減する行為をいいます。
たとえば、そば屋を経営している場合、そば粉などの食材費は経費になり、設備の購入費用も経費として計上できます。
売上が伸びている時期に設備投資を行えば利益を圧縮できるため、支出のタイミングを調整するだけでも節税効果を高められます。
また、利益額が同じでも、特例制度を活用することで納税額を抑えることも可能です。
このような税金対策は企業経営において自然な取り組みであり、節税行為自体が税務署に咎められることはありません。
脱税とは何か
脱税とは、税法に反する方法で税金を免れる行為をいいます。
代表的な脱税行為としては、売上の隠蔽、架空経費の計上、二重帳簿の作成などが挙げられます。
脱税は明確な違法行為であり、税務調査で発覚した場合には追徴課税だけでなく、刑事罰の対象になることもあります。
悪質な脱税に対しては、国税査察官(通称:マルサ)が査察調査を行うことがあり、査察事件の一審判決における有罪率は極めて高いです。
また、脱税は企業の信用を大きく損なうため、法律の範囲内で適切に税金を減らすことが重要です。

出所:令和6年度 査察の概要(国税庁)
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/sasatsu/r06_sasatsu.pdf
節税と脱税の境界が曖昧になりやすい理由
法律に基づいた税金対策は基本的に節税に該当しますが、節税のつもりで行った処理でも、税務調査で脱税と認識されてしまうケースがあります。
税務署は、節税行為が適切かどうかを形式と実態の両面から判断します。
たとえば、帳簿上は事業に要した支出として経費計上していても、その支出が架空であれば脱税となります。
また、税法の解釈を誤っている場合にも、脱税と判断される可能性があるため注意が必要です。
税法の解釈は難しく、納税者と国税当局の見解が一致しないことで対立するケースも珍しくありません。
そのため、判断に迷う場合は、専門家の助言を取り入れながら対策を進めることが求められます。
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税務調査で指摘されやすい脱税の典型例
事業者が節税を行う際は、法律の範囲内で適切に対策を講じることが重要です。
不適切な処理があると、税務調査で脱税と認定される可能性があります。
売上を隠す行為(売上除外)
売上除外は、税務署に指摘されやすい典型的な脱税行為の一つです。
単なる計算ミスや記載誤りは脱税には該当しませんが、意図的な売上除外が発覚した場合には、重加算税が課される可能性が高くなります。
また、売上を少なく見せかけるための二重帳簿も脱税行為に該当するため、法律に反する形で税金を減らす行為は厳禁です。
経費計上の判断誤り
経費計上の判断誤りも、税務調査で指摘されやすい事項です。
たとえば、個人事業主はプライベートの支出を経費にできませんし、車など公私で使用しているものは按分計算が必要です。
法人についても、役員の私的支出を経費として計上することはできないため、業務と私的利用が混在している支出を全額経費として処理していた場合には、税務調査で否認される可能性があります。
また、支出を証明するために、領収書などの証拠書類は一定期間の保存が求められます。
しかし、請求書を保存していても、業務との関連性を客観的に説明できなければ経費として認められません。
架空取引や実態のない外注費の計上
実際には行っていない業務に対する報酬を外注先に支払ったように見せかけたり、実態のない請求書を利用して経費を増やす行為は脱税に該当します。
単なる計上誤りであれば過少申告加算税の対象となりますが、領収書の偽造や架空費用の計上は、重加算税の対象となるため注意が必要です。
なお、知人や関連会社との取引は実態が曖昧になりやすく、脱税に利用されるケースも多いため、疑われないためにも帳簿書類の管理は適切に行うことが求められます。
役員報酬の設定で問題が生じるケース
役員報酬は、一定の要件を満たした場合に限り損金算入が認められます。
たとえば、役員に支払う毎月の報酬は同額(定期同額給与)でなければなりません。
そのため、利益が大きくなったことに伴い役員報酬を急に引き上げたとしても、要件を満たしていなければ増額(減額)した分は損金不算入となります。
また、同族会社においては役員の勤務実態についても確認が入ります。
実態が伴わない役員に対する報酬は損金不算入となるだけでなく、脱税と判断される可能性もあるため、慎重に報酬を設定することが求められます。
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税務調査で脱税認定されないためのポイント
会計処理に不備があると、意図的でなくても脱税と疑われる可能性があるため、税務調査を受けることを想定した対策も必要です。
経費の合理性と証拠書類の重要性
税務調査では、経費の合理性と証拠書類の整備状況が確認されます。
たとえば、会議費であれば参加者数や目的、交際費であれば相手先や内容など、業務上必要な支出であった背景を示す情報が求められます。
また、支出が事実であったとしても、領収書や請求書の保存が不十分な場合には、経費として認められない可能性があります。
そのため、日常的に証拠書類を整備し、支出の経緯や業務との関連性を客観的に説明できるようにしておくことが、税務調査での否認リスクを減らすうえで重要です。
取引先との関係性や実態の確認
税務調査では、取引先との関係性や取引の実態についても確認されます。
関連会社や知人との取引は、第三者との取引に比べて脱税の温床となりやすいため、取引の実態を裏付ける書類が求められます。
外注費や業務委託費については、作業内容や成果物、契約書の有無などを示し、業務委託として適切に行われていることを説明する必要があります。
また、取引金額が不自然に高い、または低い場合には利益操作が疑われることもあるため、取引内容を客観的に説明できる資料を整備し、税務調査官からの求めに応じて提示できるようにしておくことも欠かせません。
交際費の取扱いに関する注意点
交際費は税金対策に用いられることが多い一方で、税務調査で否認されやすい項目でもあります。
私的な飲食代を交際費として処理したり、業務との関連性が薄い支出を経費に計上している場合には、税務署から指摘が入ります。
また、法人が損金算入できる交際費には上限があるため、交際費として計上する際は、支出の背景を明確にし、業務上必要であったことを説明できる状態にしておくことが求められます。
税金に関する判断に迷う場合は専門家に相談すべき
税制は仕組みが複雑であり、条文の解釈によって結論が変わることもあるため、自己判断だけで処理を進めると誤った対応につながる可能性があります。
節税として行った行為でも、税務調査で否認されることはありますし、場合によっては脱税と判断されることもあります。
こうした税務リスクを避けるためには、税理士などの専門家に相談し、適切な処理方法を確認しながら進めることが欠かせません。
専門家の助言を取り入れることで、税務調査への備えが強化され、健全な経営判断にもつながります。
まとめ
節税と脱税の違いを正しく理解することは、経営における基本的なリスク管理の一つです。
節税は税法で認められた範囲内で行うものであり、形式と実態が一致していることが前提になります。
一方、脱税は税法に反して税負担を免れる行為であり、脱税と認定された場合には重大なペナルティが課されます。
税金は「知らなかった」では済まされないため、適切な節税を行いながら健全な経営を続けるためにも、税法の理解と専門家の助言を活用する姿勢が欠かせません。
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