![漫画家の確定申告はいくらから?やり方や開業届を出してない場合について解説](https://osakacpa.com/wp-content/uploads/2025/01/mangaka-kakuteishinkoku-1024x717.jpg)
所得が48万円を超えた、個人事業主として活動する漫画家は、確定申告が必要です。
「漫画家1年目で、確定申告のことは何も分からない」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
今回は漫画家の確定申告のやり方や開業届を出してないとどうなるか、税金対策や必要書類などについてまとめました。
税理士の立場から、難しい用語は極力使用せず、分かりやすく解説します。
記事を最後までチェックすれば、漫画家の確定申告についてひと通り理解できます。
目次
「漫画家の確定申告はいくらから?」の答えは「所得が48万円を超えてから」
漫画家に限らず、所得が48万円を超える個人事業主は確定申告が必要です。
「48万円」は、基礎控除の額です。
基礎控除とは?:
確定申告で所得税額の計算をする際、所得から差し引ける所得控除の1つ。
一方、所得が48万円を下回る方に、確定申告の義務はありません(※源泉徴収をされた場合などは必要なケースもある)。
所得は以下の計算式で算出できます。
所得=収入−必要経費
例えば漫画家としての収入から、資料や取材費用などの必要経費を引いた額が48万円を超えている場合、確定申告が必要です。
そもそも確定申告は、所得税を計算するために行われます。
所得税を計算するために用いるのが、先ほど計算式で紹介した「所得」から「控除」を引いた「課税所得」です。
課税所得=所得−控除
48万円の基礎控除は、所得が2,400万円以下であれば誰でも受けられます。
例えば所得が38万円の場合、基礎控除48万円を引くと、課税所得は計算上マイナスになってしまいます。そのため所得税は発生しません。
つまり所得が48万円以上でなければ、所得税は発生しません。よって、所得が48万円を超えると確定申告が必要となります。
開業届を出してない漫画家の確定申告はどうなる?
漫画家1年目の個人事業主のなかには、開業届を出してない方もいるでしょう。
開業届とは?:
個人が事業を開始した際に税務署に提出する書類。
ここでは、開業届を出してない方の確定申告について解説します。
開業届の提出は義務だが罰則はない
開業届は、事業開始日から1ヶ月以内の提出が義務付けられています。
[提出時期]
事業の開始等の事実があった日から1月以内に提出してください。
出典:国税庁 A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続
開業届を提出しなくても、罰則はありません。そのため開業届未提出の状態で、漫画家として活動している方もいます。
開業届未提出でも確定申告を行い、きちんと税金を納めていれば脱税にはなりません。
しかし開業届を出してないと「屋号での口座開設ができない」「補助金や助成金の申請ができない」などのデメリットが生じます。
そのためできるだけ早く開業届を提出するのが得策です。
所得税の青色申告承認申請書を出してないと青色申告ができない
確定申告は、白色申告と青色申告に分かれており、青色申告の方が節税できます。
しかし所得税の青色申告承認申請書を出してないと、青色申告ができません。
一般的には、開業届と所得税の青色申告承認申請書は同時に提出します。
開業届を出してない個人事業主の大半は所得税の青色申告承認申請書も提出していないため、青色申告できないケースがほとんどです。
よって税制面で損をしてしまいます。
確定申告の職業欄には「漫画家」と記載してOK
確定申告書には、職業欄があります。
職業欄は、税務署が収入の性質や経費の妥当性を判断するために使用されます。
漫画家の場合、職業欄にもそのまま「漫画家」と記載しましょう。そうすることで、資料費や取材費などの経費が職業に関連したものであると伝わりやすくなります。
「このくらいの実績がなければ漫画家と名乗ってはいけない」といった決まりはありません。
事業規模によらず、主な収入源が漫画制作に関するものであれば、職業欄には「漫画家」と記載しましょう。
「フリーランス」や「クリエイター」のようなざっくりとした記載は避けてください。
漫画家の確定申告でできる税金対策
税金の額は、課税所得によって決まります。つまり「税金対策=いかに課税所得を減らせるか」です。
そして課税所得は、必要経費と控除が増えれば減ります。
まず漫画家が経費として計上できるものの例は以下のとおりです。
- 画材費(ペン、紙、インク、ペンタブなど)
- 資料費(書籍、雑誌、映画鑑賞費)
- 取材費(取材時の交通費や宿泊費)
- 通信費(インターネット料金、携帯電話代)
- 家賃(自宅の一部を仕事場として使用している場合の按分額)
- 電気代・水道代(自宅兼仕事場の場合の按分額)
- 専門ソフトウェアの使用料(Photoshopなど)
自宅を仕事場にしている場合、家賃や電気代・水道代なども経費として計上できます。
続いて控除額を増やす方法の例は以下のとおりです。
- 青色申告
- iDeCo
青色申告を行うと、45万円の基礎控除に加えて最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。
iDeCoでは、掛金全額(個人事業主の場合、最大81.6万円/年)が控除対象となります。
iDeCoとは?:
掛金を拠出し、将来の年金を準備するための制度。節税をしながら老後の準備ができる。
また漫画家は、平均課税という制度を活用できます。
平均課税とは?:
収入の変動が激しい方(スポーツ選手や漫画家など)が所得税の負担を軽減できる制度。通常の超過累進税率よりも低い税率を適用して税額を計算できる。
平均課税は計算が複雑なので、活用する場合は税理士への依頼がおすすめです。
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漫画家の確定申告のやり方4ステップ
漫画家の確定申告は、以下の4ステップで行います。
- 必要書類を用意する
- 確定申告書を作成する
- 確定申告書を提出する
- 所得税を納付する
それぞれ詳しく見てみましょう。
1.必要書類を用意する
まずは準備として、確定申告に必要な書類を用意します。必要書類の例は以下のとおりです。
- 収入証明のための書類:支払調書・印税明細書など
- 経費証明のための書類:領収書・レシートなど
- 控除証明のための書類:社会保険料の納付書・医療費通知書など
また事業におけるお金の動きはすべて記帳しておきます。
関連記事:記帳代行とは?税理士丸投げ時の費用相場や依頼先の選び方を解説
2.確定申告書を作成する
用意した書類や記帳をもとに、確定申告書を作成します。
確定申告書は、自力で作成するか、税理士に依頼して作成してもらうこととなります。
自力で確定申告書を作成する方法は、以下の3つです。
- 手書きで作成する
- 確定申告ソフトを使って作成する
- 確定申告書等作成コーナーを使って作成する
3.確定申告書を提出する
確定申告書が完成したら、期間内に提出をしましょう。提出方法は以下の3つです。
- 税務署で直接提出
- 郵送で提出
- e-Taxで提出
おすすめは「e-Tax」です。オンラインで確定申告が完結するため、手間が省けます。
期間内に提出をしないと、無申告加算税や延滞税が課される可能性があるため要注意です。
4.所得税を納付する
確定申告書を作成することで、所得税額が算出できます。確定申告書を提出した後は、所得税を納付しましょう。
所得税の納付方法例は以下のとおりです。
- 税務署や金融機関で納付
- クレジットカードで納付
- 口座引き落としで納付
- コンビニで納付
源泉徴収で所得税を支払いすぎている場合には、確定申告によって還付が受けられます。
漫画家の確定申告に必要な書類
確定申告では、自身のお金の動きを把握するための書類が必要です。具体的には、収入・支出・控除に関する証明書類が必要です。
以下に、確定申告に必要な書類の例をまとめました。
- 請求書
- 支払調書
- 印税明細書
- 領収書
- レシート
- 社会保険料の納付書
- 医療費通知書
確定申告をスムーズに行いたいのであれば、これらの書類をきちんと集め、月1回など計画的に記帳をすることが大切です。
漫画家の確定申告は税理士への代行依頼がおすすめ
確定申告は、自力でも行えます。しかし漫画家の確定申告は、以下3つの理由から税理士への代行がおすすめです。
- 面倒な業務から解放されるから
- 不安から解放されるから
- 最大限の節税ができるから
1つずつ詳しく解説します。
面倒な業務から解放される
確定申告には、書類の準備・帳簿の作成・申告書への記入など多くの手間がかかります。
青色申告の場合、提出しなければならない書類の種類が多かったり、複式簿記が必要だったりして特に大変です。
確定申告の知識があっても、面倒なこれらの作業を知識がまったくない状態で行うのは不可能と言って良いでしょう。
調べながらなんとか行うこともできますが、本業にかける時間が圧迫されてしまいます。
そこで確定申告を税理士に依頼すれば、面倒な業務をすべて丸投げできます。
必要なのは、通帳のコピーや領収書の税理士事務所への郵送だけです。
不安から解放される
自力での確定申告には、記帳ミスや経費計上の誤り、税務署からの問い合わせなどに関する不安が付き纏います。
「本当にあれで合っているのかな?」「間違っていて大事になったらどうしよう」「税務調査が来たら自力で対応できるかな?」と1年中不安になってしまう方も少なくありません。
漫画家や作家が脱税をして有罪判決を受け、ニュースになる事例も多数あります。
参考:「薬屋のひとりごと」作画の漫画家、4700万円脱税で在宅起訴…2億6000万円申告せず
参考:「まおゆう魔王勇者」作者、3000万円脱税か 国税局が告発【橙乃ままれさん】
特に漫画家のような職業は、ちょっとした法律違反を犯しただけでも大々的に取り上げられてしまいます。
「〇〇日までに確定申告をしなきゃ」と頭のリソースを取られるのもデメリットです。
確定申告を税理士に依頼をすれば、こういった不安からは解放されます。税金関係はすべて税理士に任せて、本業にコミットできます。
関連記事:税理士への税務調査立ち会い依頼時の費用相場は30〜50万円!メリットや流れを解説
最大限の節税ができる
本来経費になる費用は、正しく申告をしなければ経費になりません。本来控除される費用も、正しく申告をしなければ控除されません。
税金のスペシャリストではない個人が自力で確定申告をすると、多かれ少なかれ損をしてしまいます。
例えば「青色申告のやり方が分からないから」と何年も白色申告をしており、何十万円、何百万円と損をする漫画家もいます。
記事前半で紹介した平均課税も、自力で行うのは難しいでしょう。
税理士に確定申告を依頼すれば、最大限の節税ができます。節税効果だけで、税理士への依頼費用の元を取ることも不可能ではありません。
関連記事:確定申告を税理士に丸投げしたい個人事業主必見!費用や損に繋がるデメリットを紹介
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まとめ
本記事では、漫画家の確定申告のやり方や開業届を出してないとどうなるか、税金対策や必要書類などについて解説しました。
結論、漫画家の確定申告は税理士への丸投げがおすすめです。
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