税務調査 | 神戸の税理士|永安栄棟 公認会計士・税理士事務所

フリーランスとして働いていると、税金の負担が気になることはありませんか。

収入金額が同じでも、ご自身の状況に応じた節税対策を講じることで、手元に残る資金を効率よく増やすことができます。

本記事では、今日から実践できるフリーランス向けの節税対策を、5つの方法に厳選してご紹介します。

フリーランスが節税対策をすべき理由とは?

フリーランスは会社員と異なり、自ら税金を計算し、納付する必要があります。

所得税と住民税は、収入から経費を差し引いた「所得」を基に算出されますが、フリーランスを含む個人事業主には、会社員(給与所得者)に適用される給与所得控除がありません。

そのため、節税対策を講じなければ、同じ収入でも課税対象額が大きくなりやすい傾向があります。

一方で、フリーランスは経費を活用した節税が可能です。

税金の仕組みを理解していればいるほど、適切な対策を講じることができるため、結果として納税額の削減を実現できます。

節税対策①:経費を正しく計上して所得を圧縮

経費を活用した節税は、事業者にとって基本的かつ効果的な税金対策です。

経費にできるもの・できないものの判断基準

経費として認められる支出は、「事業のために直接必要な費用」に限られます。

たとえば、仕事で使用するパソコンやソフトウェア、打ち合わせ時の交通費や通信費などは経費に該当します。

一方で、私的な支出や家族との食事代など、事業との関連性が乏しいものは対象外です。

判断に迷う場合は、領収書に用途を記載するほか、帳簿に具体的な使途を記録しておくとよいでしょう。

また、税務調査への備えとしても、日頃から根拠を残す習慣を身につけておくことが大切です。

家事按分の考え方と注意点

フリーランスの場合、仕事と私生活の両方で使用する設備や備品が多くみられます。

自宅を仕事場として活用しているケースでは、家賃や光熱費などの一部を「家事按分」として経費計上することが可能です。

家事按分とは、部屋の面積や使用時間などを基準に、事業用と私用の支出を合理的に区分することをいいます。

ただし、按分割合が不自然に高すぎると、税務署から否認される恐れがあります。

税務調査では、按分割合の根拠の提示が求められるため、Excelなどを活用して按分基準を明確に記録しておきましょう。

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節税対策②:青色申告を活用して控除を最大化

青色申告は、支出を伴わず所得を減らせる控除制度や赤字繰り越しの仕組みなど、フリーランスに有利な節税効果がある制度です。

青色申告特別控除とは?最大65万円控除のメリット

青色申告の最大の利点は、「青色申告特別控除」の適用を受けられる点です。

複式簿記による帳簿作成や、期限内申告などの要件を満たせば、最大65万円を所得から控除できます。

経費による節税は実際の支出を伴いますが、青色申告特別控除は支出なしで税負担を軽減できるため、非常に効率的です。

出所:はじめてみませんか? 青色申告(国税庁)

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/kichou01.pdf

最大3年間の赤字繰り越しが可能

事業所得で赤字が生じた場合、給与所得などと損益通算して相殺することができます。

白色申告では、控除しきれなかった赤字を翌年以降に繰り越すことは認められていません。

一方、青色申告者であれば、損益通算後に残った損失を最大3年間繰り越して、翌年以降の所得から控除することが可能です。

フリーランスでも、開業初期や一時的な収益減少により赤字となることがありますが、青色申告を行っていれば、税務上の救済措置としてこの制度を活用できます。

節税対策③:小規模企業共済で将来に備えながら節税

小規模企業共済は、フリーランスや個人事業主のための「退職金制度」として活用できる制度です。

掛金の全額が所得控除に!メリットと注意点

小規模企業共済では、掛金の全額が所得控除の対象となるため、将来への備えと同時に節税効果が得られます。

掛金は月1,000円〜70,000円(500円単位)の範囲で自由に設定可能で、すべてが「小規模企業共済等掛金控除」として所得から差し引かれます。

掛金額を増やせば課税所得が圧縮されるため、所得税や住民税の負担軽減につながります。

また、掛金の増減や一時停止も可能なため、経営状況に応じて柔軟に対応できる点も魅力です。

ただし、原則として20年以上の加入が想定されているため、短期間での解約では元本割れのリスクがある点には留意が必要です。

受取時の課税関係も要チェック

小規模企業共済の共済金を受け取る場合、所得税の課税対象となります。

所得区分は受け取り方法により異なり、一括で受け取る場合は退職所得として扱われます。

退職所得には退職所得控除が適用されるため、税負担を大きく軽減できるのが特徴です。

一方、分割で受け取る場合は雑所得(公的年金等)として課税されます。

雑所得は他の所得と合算して税額が算出されるため、収入状況によっては税率が高くなることがあります。

ただし、公的年金等控除の適用により、一定の税負担を軽減できる場合もあるため、所得構成やライフプランに応じて受け取り方を検討することが重要です。

節税対策④:iDeCo(個人型確定拠出年金)で老後資金と節税を両立

フリーランスの税金対策は、事業面にのみ焦点が当てられることが少なくありません。

しかし、実際には事業とは直接関係のない分野でも、税金対策を行うことが大切です。

掛金の所得控除と運用益が非課税になるメリット

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を拠出し、自ら運用して資産を形成する年金制度です。

毎月の掛金は、全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象になるため、課税所得を減らすことができます。

さらに、運用中に得られる利息・配当・売却益はすべて非課税となる点も、大きなメリットです。

老後に一括または分割で受け取る際には、退職所得控除や公的年金等控除が適用されるため、受取時の税負担も軽減されます。

フリーランスがiDeCoを始める際の注意点

iDeCoは、原則として60歳まで資金を引き出すことができません。

そのため、急な資金需要が生じた場合には対応できず、流動性が制限される点に留意する必要があります。

iDeCoで積み立てる資産は、「加入者」または「運用指図者」が自身の責任で運用し、資産形成を行う仕組みです。

運用成果によって、60歳以降に受け取る老齢給付金の額が増えることもあれば、減少する可能性もあるため、そのリスクを理解した上で利用することが求められます。

また、運用には各種費用が発生するため、金融機関の選定や運用商品の選び方にも注意が必要です。

節税対策⑤:必要に応じて法人化も検討しよう

フリーランスとしての所得が一定以上ある場合、法人化(法人成り)によって節税できる可能性があります。

法人化による節税効果

法人化は、所得を役員報酬と会社の利益に分けることで、所得税の累進課税を抑える効果が期待できます。

家族が事業に関与している場合は、家族を役員に任命し、役員報酬を支払うことで所得を分散できるため、節税効果が高まります。

また、法人は個人に比べて経費として認められる範囲が広いのも特徴です。

法人は原則として家事按分が不要ですし、色々な手段を用いて節税対策を講じられます。

法人化のタイミングと判断基準

法人化を検討する目安として、年間所得が800万円〜1,000万円を超えるかどうかが一つの判断材料になります。

この水準を超えると、個人事業主に課される税率の方が高くなるため、法人化による節税効果が期待できるケースが増えてきます。

節税面以外でも、取引先からの信用向上や、事業拡大に伴う人材採用・資金調達がしやすくなるのもメリットです。

ただし、法人設立には初期費用や運営コストが伴うため、税理士などの専門家に相談したうえで慎重に判断することが望ましいです。

フリーランスの節税に関する疑問・注意点

節税に取り組む中で、「これって大丈夫?」「やりすぎでは?」と不安を感じることもあるでしょう。

ここでは、フリーランスが抱きやすい節税に関する疑問と注意点について解説します。

節税しすぎると税務調査の対象になる?

税金対策は、「正しく・根拠を持って」が基本です。

節税は合法的な行為であり、適切に行っていれば税務調査を受けたとしても否認される心配はありません。

ただし、経費の水増しや不自然な家事按分、根拠のない控除などがある場合は、調査対象となる可能性が高まります。

また、領収書などの証拠書類を保存していない場合は、経費として認められないことがあるため、日頃から調査対策を講じておくことが重要です。

「節税」と「脱税」はどう違う?

節税と脱税では、法的な位置づけが根本的に異なります。

節税は、法律の範囲内で税負担を軽減する正当な行為です。

一方、脱税は隠蔽や虚偽申告などによって税金の支払いを免れようとする違法な行為であり、摘発の対象となります。

脱税を行うと、税務調査や追徴課税のリスクに加えて、悪質と判断された場合には刑事罰が科される可能性もあるため、税金対策は節税手段を用いるのが鉄則です。

税理士への相談も視野に入れるべき?

節税対策を効果的かつ安心して進めるには、税理士への相談が有効です。

税制は複雑で、しかも頻繁に改正されるため、専門家の知識を活用することでリスクを抑えながら、最大限の節税効果を得ることが可能になります。

特に所得が増えたタイミングや法人化の検討段階では、早めに相談することで適切な判断につながります。

また、顧問税理士がいないフリーランスであれば、必要に応じて税理士を付けることも有力な選択肢です。

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まとめ

フリーランスにとって、節税対策は収入を守り、事業を安定させる重要な手段です。

青色申告や経費の適正な計上、小規模企業共済やiDeCoの活用など、今日から始められる方法は多く存在します。

一定以上の所得がある場合には、法人化の検討も有力な選択肢の一つです。

最適な節税手段は人それぞれ異なりますので、専門家へ相談しながら、無理のない範囲で取り組むことが大切です。

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税務のお困りごとがございましたら、永安栄棟 公認会計士・税理士事務所へ一度ご相談ください。

減価償却資産を取得した場合、基本的には複数年にわたって資産を償却することになりますが、償却方法を工夫することで、法人税の負担軽減を図ることが可能です。

ただし、企業の経営状況や収益の見通しによって、最適な減価償却資産の購入時期や償却方法の選択肢が異なる点には注意が必要です。

本記事では、減価償却の基本的な考え方と、節税対策としての具体的な活用方法について解説します。

法人税対策における減価償却の重要性

減価償却は、事業者が取得した事業用資産の購入費用を一定期間に分割して計上する制度です。

原則として、一括での経費計上はできませんが、継続的に税負担を軽減できるというメリットがあります。

償却方法には複数あり、選択する方法によって各事業年度の損金算入額が変動するため、減価償却資産を取得した際には、償却方法の検討が不可欠です。

たとえば、減価償却方法の一つである定率法は、初期に多くの減価償却費を損金算入できるため、収益が高く見込まれる期間に節税効果を高めることが可能です。

また、特別償却や即時償却を活用することで、設備投資後の負担を軽減しつつ、事業成長を支える財務戦略の構築も期待できます。

減価償却費の適正な計上は、財務諸表の透明性にも影響を及ぼすため、長期的な視点で資金管理と税務対策を計画的に進めることが重要です。

減価償却を活かした節税の具体策

法人税の負担を軽減するためには、減価償却の方法を適切に選択し、計画的に活用することが求められます。

減価償却方法の特徴

減価償却の主要な計算方法には、「定額法」「定率法」「生産高比例法」「リース期間定額法」があります。

定額法は、毎年一定額を償却する方式であり、長期的に安定した財務計画の策定が可能です。

定率法は、初年度の償却額が大きく、その後徐々に減少する方式で、収益が高い初期段階において節税効果を高めやすい点が特徴です。

生産高比例法は、実際の使用量や生産量に応じて償却額を算出する方式であり、製造業など設備の稼働率に変動がある業種で利用されます。

リース期間定額法は、リース契約に基づく資産を対象とし、リース期間中に均等に償却する方式です。

なお、減価償却資産の種類によって法定の償却方法が定められていますが、所定の届出を行うことで、法定外の償却方法を選択することも可能です。

特別償却・即時償却による初期費用の圧縮

特別償却や即時償却は、一定の条件を満たす資産に適用される減価償却の優遇措置です。

特別償却は、通常の償却額に加えて一定の割合を上乗せして計上できる制度であり、大規模な設備投資を行う際に有効です。

即時償却は、対象資産の取得費用を一括で経費計上できるため、初年度の税負担を大幅に軽減できるメリットがあります。

中小企業が活用すべき税制優遇制度

中小企業向けには、法人税の負担軽減を目的とした特例措置が複数用意されています。

たとえば、中小企業経営強化税制では、一定の要件を満たす設備投資に対して、特別償却または税額控除が適用される仕組みがあります。

また、青色申告の届出を行っている法人であれば、取得価額30万円未満の減価償却資産について、全額を一括で損金算入することが可能です。

なお、税制優遇措置には期間限定のものも多く含まれているため、制度が創設されたタイミングで減価償却資産を取得し、特例制度を適用することで、より効果的に節税を図ることができます。

<少額減価償却資産の特例の特徴>

出所:少額減価償却資産の特例(中小企業庁)

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/tokurei/syougaku_shisan.html

税務調査においては、適切な備えと専門的な対応が不可欠です。

次に、実務支援として活用いただける具体的なサービスをご紹介します。

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減価償却費の経費計上で指摘されやすいポイント

減価償却資産は高額になりやすいため、税務調査では計上内容の細部まで確認されることが多くあります。

耐用年数の誤り

税務調査では、減価償却資産に適用する耐用年数の誤りが指摘されるケースがあります。

たとえば、法定耐用年数を正しく適用していない場合、減価償却費の計算に誤差が生じ、結果として過剰な経費計上と見なされるおそれがあります。

こうした誤りを防ぐためには、各資産に定められた法定耐用年数を正確に把握し、適切に処理を行うことが求められます。

償却開始時期の誤り

減価償却の開始時期は、「購入した日」ではなく、「事業の用に供した日」と定められています。

「事業の用に供した日」とは、減価償却資産が本来の目的に沿って実際に使用を開始した日を指します。

たとえば、事業用機械を購入した場合、その機械によって製品の生産を開始した日が償却開始の基準となり、単に工場内に搬入しただけでは、使用を開始したとは認められません。

据付作業や試運転が完了するまでに時間を要する場合は、減価償却を開始する事業年度が遅れる可能性があるため、事前の計画と管理が重要です。

特別償却・即時償却の適否

企業が特別償却や即時償却を適用する際は、事前に適用要件を正確に確認しておく必要があります。

特例措置を活用した後に適用を否認されると、課税所得や税務申告に大きな影響を及ぼすおそれがあるため、減価償却の計算方法や適用基準を正しく理解し、適切に処理を行うことが求められます。

また、取得価額が30万円未満の減価償却資産に対する即時償却の特例は、中小企業者等に限定されているため、自社が該当するかどうかを事前に確認してください。

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事業成長に貢献する減価償却の活用法

減価償却は、単なる会計処理にとどまらず、企業の成長戦略に直結する重要な要素です。

経営者には、設備投資の計画やキャッシュフローの改善を踏まえたうえで、減価償却を効果的に活用することが求められます。

設備投資と減価償却の長期戦略

企業が持続的に成長するためには、設備投資のタイミングと減価償却の計画を慎重に立てることが不可欠です。

たとえば、新規事業の展開や生産性向上を目的とした設備投資を行う場合、適用する減価償却方法によって財務に与える影響は大きく異なります。

定率法は、初期に多くの償却費を計上できるため、節税効果を早期に得るとともに、資金繰りの負担を軽減できます。

また、特別償却制度を活用すれば、設備投資額の一部を初年度に多く償却できるため、投資負担を抑えながら事業拡大を図ることが可能です。

キャッシュフロー改善に役立つ減価償却の使い方

減価償却の方法を適切に選択することで、キャッシュフローの改善にも寄与することができます。

安定した収益基盤を持つ企業では、定額法を用いて毎年一定額の減価償却を行うことで、長期的な財務計画の策定が容易になります。

一方、収益の変動が大きい企業では、初年度に償却費を多く計上できる定率法を活用することで、キャッシュフローへの圧迫を抑える効果が期待できます。

また、即時償却制度を活用すれば、特定の設備投資について取得費用を一括で経費計上できるため、資金流出を最小限に抑えることが可能です。

このように、減価償却の活用方法を見直し、キャッシュフローの最適化を図ることで、財務健全性を維持しながら安定的な成長を目指すことができます。

最新の税制改正を考慮した減価償却の見直し

経営者は、税制改正の内容についても定期的に確認することが求められます。

減価償却制度は、税制改正により適用条件や計算方法が変更されることがあります。

たとえば、法人向けの特別減価償却措置が新たに導入された場合には、対象となる設備投資を計画的に実施することで、税額控除などを受けられる可能性があります。

また、国は環境対応設備やデジタル化推進のための設備投資に対する優遇措置を拡充する傾向にあるため、現行制度はもちろん、税制改正で新たに創設された制度も積極的に活用して、長期的な節税戦略と事業の発展を両立させることが重要です。

まとめ

減価償却資産を取得する際は、適切な方法を選択することで、税負担を抑えつつ財務の健全性を確保することが可能です。

特別償却や即時償却といった制度を上手に活用すれば、節税効果に加え、資金繰りの安定化や成長戦略の推進にもつながります。

なお、最新の税制改正を経営者が漏れなく把握することは容易ではないため、税理士と緊密に連携し、実効性の高い節税対策を講じることが重要です。

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減価償却費は、適切に活用すれば納税額を抑える効果があります。

しかし、計上方法を誤ると税務署から指摘を受ける可能性があるため、正しい知識を身に付けることが大切です。

本記事では、個人事業主が減価償却費を最大限活用し、節税効果を得るための具体的なテクニックおよび、税務調査で問題視されやすいポイントについて説明します。

個人事業主が知っておくべき減価償却費の基礎知識

個人事業主にとって、減価償却費は節税対策の柱の一つです。

有効活用できれば、支出額が同じでも、一般的な支出より節税効果を高めることができます。

減価償却費の仕組み

減価償却費とは、事業用資産の取得費用を一定期間に分割して計上することで、課税所得を減少させる制度です。

通常、事業に必要な費用は、支出が生じた年分の経費として計上しますが、減価償却資産については、資産の種類などに応じて複数年にわたり分割して計上することになります。

減価償却資産に該当するものには、事業などの業務で使用される建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などがあります。

一方、土地や骨とう品など、時間の経過によって価値が減少しない資産は、減価償却資産には含まれません。

減価償却費の主な計算方法には「定額法」と「定率法」があり、いずれも年間に計上できる金額には上限が設けられています。

ただし、一定の条件を満たす減価償却資産については、支出した年分において一括で償却できる場合があるため、資産の種類や金額に応じて経費計上の方法を工夫することが重要です。

会計上と税務上の減価償却費の違い

会計上の減価償却費は、資産の実際の使用状況に基づいて計上します。

事業者は、資産の経済的使用可能期間を見積もったうえで、適切な償却方法を選択し、減価償却費を算出します。

一方、税務上の減価償却費は、法定耐用年数に基づいて計算する必要があります。

この法定耐用年数は資産の種類ごとに定められており、減価償却費として経費に算入できる金額にも上限があります。

減価償却費を活用して節税ができる理由

所得税は、課税所得金額が高くなるほど税率が上がる累進課税方式を採用しているため、節税対策では適用税率を下げる工夫も必要です。

仕入れなどを行った場合、基本的には支出が生じた年分の経費として計上することになるので、節税効果はその年分に限定されます。

それに対し、減価償却費は複数年にわたり計上できることから、継続的に課税所得を抑えることが可能です。

利益を平準化できれば、トータルの納税額を減らすことができるため、事業の成長過程で必要となる設備投資等を行うことで、事業体制を整えながら効率的に節税することができます。

減価償却方法の種類

個人事業主は、「定額法」と「定率法」のいずれかを用いて減価償却費を求めることになります。

定額法

定額法は、資産の取得価額を耐用年数で均等に分割して償却する方式です。

毎年同じ額を必要経費として計上するため、計算が容易であり、経費となる金額が予測しやすいメリットがあります。

一方、初年度の償却額は定率法と比べて少ないため、初期投資の負担軽減という面ではやや不利です。

<定額法の計算方法>

取得価額×定額法の償却率=減価償却費

定率法

定率法は、資産の帳簿価額に一定の割合を乗じて償却費を算出する方式です。

初年度に計上できる減価償却費が大きく、減価償却資産を取得した初期の税負担を軽減できることから、積極的に設備投資を行う事業者にとって有利とされています。

一方で、償却額は年を追うごとに減少していくため、後半期の償却額が小さくなる点には注意が必要です。

<定率法の計算方法>

未償却残高×定率法の償却率=減価償却費

※上記の金額が償却保証額に満たなくなった年分以後は、「改定取得価額×改定償却率」で算出する。

定額法と定率法で減価償却費を計算した場合の具体例

取得価額100万円、耐用年数10年の減価償却資産を定額法と定率法で計算した場合の計算例です。

最終的な償却費の額は同じですが、年によって経費計上できる金額が異なるため、状況によって節税面での有利・不利は変わります。

出所:No.2106 定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)(国税庁)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2106.htm

償却方法の選定と届出

減価償却資産の償却方法を選定する場合、税務署への届出が必要です。

償却方法は資産の種類ごとに選定することになりますが、届出をしなかった場合は、法定の償却方法に基づいて計算することになります。

個人事業主の場合、法定の償却方法は定額法(旧定額法)が原則であるため、定率法を選択する際は、忘れずに届出を行ってください。

新たに業務を開始した場合は、その翌年の3月15日までに税務署へ届け出る必要があります。

また、償却方法を変更する場合は、変更を希望する年の3月15日までに税務署に申請書を提出し、承認を受けなければなりません。

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減価償却費の特例を活用した節税テクニック

減価償却資産に該当するものであっても、特例制度を活用すれば、一括で経費として計上することが可能です。

少額減価償却資産の特例

業務で使用する減価償却資産(貸付目的のものを除く)のうち、使用可能期間が1年未満、または取得価額が10万円未満のものは、その年度の必要経費として計上できます。

取得価額が10万円未満であれば、減価償却資産であっても一括で経費計上できるため、支出が生じた年の経費として計上したい場合は、購入する資産の取得価額に注意してください。

一括償却資産の必要経費算入の特例

取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、一定の要件の下、取得価額の3分の1に相当する金額を、業務の用に供した年以後3年間にわたり、各年の必要経費に算入することができます。

取得した年に全額を経費計上することはできませんが、通常の減価償却よりも短い期間で全額を経費にすることが可能です。

青色申告の減価償却費の特例

一定の要件を満たす青色申告者は、減価償却費を一括で必要経費に算入できる特例を活用できます。

青色申告の減価償却費の特例の対象となるのは、取得価額が10万円以上30万円未満の減価償却資産であり、合計額が300万円に達するまでの範囲内で、業務の用に供した年分の必要経費として計上することが可能です。

税務調査で指摘されやすい減価償却費の誤り

税務調査では、以下の3点が減価償却費に関する誤りとして指摘されやすいため、注意が必要です。

耐用年数

減価償却費を計算する際は、税法に定められた耐用年数を使用しなければなりません。

耐用年数は資産の種類ごとに定められていますが、同じ資産でも構造や用途によって年数が異なる場合があります。

また、中古資産を業務用に転用した場合、新品とは異なる耐用年数を別途算定する必要があります。

誤った耐用年数を用いると、減価償却費が適切に算出されないため、必ず資産ごとに耐用年数を確認してください。

償却開始時期

減価償却は、購入した日ではなく、その資産を実際に事業の用に供した日から計算を開始します。

開始時期を誤ると、償却期間や金額に影響が生じるため、税務調査で問題視される可能性があります。

そのため、業務供用の開始日を正確に把握し、証明できる資料を適切に保存しておくことが重要です。

特例の適否

減価償却費に関する特例を利用する際は、適用要件を満たしているかを確認してください。

要件を満たさないまま特例を適用した場合、税務調査で経費計上が否認される可能性があります。

減価償却資産の取得価額が高額なほど、否認されたときの影響は大きいため、適用要件の確認と関係書類の適切な保存を徹底してください。

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個人事業主が事業運営に活かせる減価償却の活用法

減価償却は、単なる税務処理にとどまらず、事業成長を支える戦略的な手段としても活用できます。

たとえば、設備投資計画に減価償却を組み込むことで、資金繰りの最適化や経費管理の効率化を図ることが可能です。

耐用年数を考慮しながら資産の更新計画を立てることにより、老朽化した設備の交換時期を的確に見極め、事業の効率向上につなげることができます。

また、減価償却を最大限に活かすには、税理士との連携が不可欠です。

税理士は法令改正や最新の税務情報に精通しているため、個人事業主の財務状況に応じた最適な償却方法を提案できます。 特例措置の活用や事業の成長を見据えた設備投資のタイミングだけでなく、税務調査のリスクについても助言を受けられるため、調査対策の面でも税理士に相談するメリットがあります。

まとめ

減価償却の活用は、個人事業主にとって、節税と資産管理の両面で重要な手段です。

適切な方法を選び、計画的に活用することで、税負担の軽減と財務戦略の強化につながります。

一方で、減価償却資産が高額な場合には、税務調査で耐用年数や償却開始時期などが確認されるため、適正な処理が求められます。

効果的な税金対策には専門家の視点での助言も重要となるため、減価償却費に関して不明点がある場合は、一度税理士に相談することをおすすめします。

確定申告・税務申告でお悩みの方は、申告手続きを永安栄棟税理士事務所に丸投げしてください。

税理士への確定申告の丸投げには、通常、月2〜4万円ほどの費用がかかります。

しかし、弊所はオンライン化やAIの活用などによる業務効率化により、下記の価格でサービスを提供させていただいております。

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弊所は兵庫県にある税理士事務所ですが、日本全国どこからでもご依頼いただけます。

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税務のお困りごとがございましたら、永安栄棟 公認会計士・税理士事務所へ一度ご相談ください。

企業は、法人税の申告書などの作成を税理士事務所に依頼することが多いですが、税理士に依頼するかは任意となっています。

自身で申告書を作成すれば、報酬費用を削減できるなどのメリットがある一方、税理士に依頼しないことによるデメリットも存在します。

本記事では、法人税の申告書を税理士に依頼するメリット・デメリットについて解説します。

企業の10社に9社は税理士に申告書作成を依頼している

企業が税理士に依頼するかどうかは任意ですので、納税者本人が法人税の申告書を作っても問題ありません。

しかしながら、税理士が企業に代わって法人税の申告書を作成している割合は非常に高く、令和5年度においては全体の89.8%に達しています。

所得税の税理士関与割合は20%程度であり、相続税でも税理士関与割合は86.3%(令和5年度)に留まるため、法人税は最も税理士が関与している税目の一つです。

出所:令和5事務年度 国税庁実績評価書(財務省)

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/policy_evaluation/proceedings/material/81seihyoukon03.pdf

法人税の申告書を作成する方法

法人税の申告書を作成する方法は3パターンあり、申告内容が正しければ、どの方法で申告しても問題ありません。

納税者が申告書を作成する

税金の申告書は、納税者が作成するのが原則です。

個人事業主から法人に切り替えた「ひとり法人」や、専門知識を有する人が会社を運営しているときは、税理士に依頼せずに申告書を作成するのも選択肢です。

一方で、申告書を作るためには専門知識は不可欠ですし、作成する時間の確保も必要となる点には注意しなければなりません。

<メリット>

  • コスト削減:税理士や会計事務所に依頼する費用を節約
  • 直接管理:自分で申告を行うことで、企業の財務状況を直接把握できる
  • 学習の機会:法人税に関する知識を深めることができる

<デメリット>

  • 時間と労力の増加:申告書作成するには多くの時間と労力が必要
  • 専門知識の不足:税に関する知識不足による計算ミスのリスク
  • 税務リスク: 申告誤りは税務調査を受ける要因になる

決算申告のみを税理士に依頼する

税理士を顧問として迎え入れている企業も多いですが、決算申告のみを税理士事務所や会計事務所に依頼することも可能です。

税理士と顧問契約を結ぶ場合には顧問料が発生しますが、決算申告のみを依頼するスポット契約であれば、税務手続きに関する支出を抑えることができます。

<メリット>

  • コストの削減:依頼内容を決算申告だけに絞ることで費用を削減できる
  • 専門的なアドバイス:申告誤りのリスクを軽減できる
  • 時間の節約:決算申告のための作業時間を節約できる

<デメリット>

  • サポート体制が不完全:日常的な会計や帳簿の管理についてのアドバイスを受けられない
  • 税金対策が難しい:長期的なサポート関係が築けないため、計画的な税金対策が実施しにくい
  • 追加費用の発生:帳簿のミスや整備不足の修正を依頼する場合には、追加費用が発生する

顧問税理士に税務手続きを一任する

税務に関する業務を一任する場合、税理士と顧問契約を結ぶことになります。

専門家による全面的なサポートを受けることで、申告の正確性と効率性が高まりますし、長いスパンで税金対策を実施することによる節税効果も享受できます。

<メリット>

  • 全面的な支援:税金面のアドバイスを受けながら経営戦略を練ることができる
  • 正確性: 専門知識を持つ税理士が申告を行うため、税務関係のリスクを軽減できる
  • 効率性: 法人税に関する手続きを一任することで事業に専念できる

<デメリット>

  • コスト:顧問料が発生する
  • 税理士への依存:外部の専門家に一任することで、企業内部の財務状況の把握が疎かになる可能性がある

複雑な帳簿を自ら作成するのは手間がかかるだけでなく、計算ミス等で余計な税金を支払う事態に陥ることもあります。

そのようなトラブルを回避したい方は、記帳代行や確定申告手続きを税理士に丸投げすることをオススメします。

永安栄棟税理士事務所は、兵庫県にある税理士事務所です。

兵庫県内の企業・個人事業主の皆さまはもちろんのこと、日本全国からのご依頼も承っていますので、税務手続きに不安がある方は『丸投げパック』をご利用ください。

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税理士に税務手続きを依頼する際のポイント

企業の事業内容や規模によって税理士に求める条件は違いますので、費用面だけで判断しないよう気を付けてください。

事業規模と業務の複雑さ

事業規模が小さく、取引内容が比較的シンプルな場合には、決算申告のみを税理士に依頼することも一つの選択肢です。

小規模の法人や個人事業主の場合、日常的に行う会計処理が少なく、専門的なアドバイスをそれほど必要としないこともあるため、決算時のみの支援で十分な事業者もいます。

一方、事業規模を拡大する予定がある場合や、取引が多岐にわたる企業においては、税理士と顧問契約を結び、日常的なサポートを受けることが望ましいです。 税理士は、経営の効率化や税務リスクの軽減に役立つだけでなく、複雑な取引や資金調達に関するアドバイスも提供できるため、依頼した分の費用に対する効果を期待できます。

税務・経営に対するアドバイスの必要性

節税対策や経営戦略、資金繰りの改善など、専門的なアドバイスを必要とする場合、顧問税理士を付けることを検討してください。

顧問税理士は会社の状況を定期的に把握し、適切なアドバイスを提供するため、経営の健全化や長期的な成長に寄与します。

税理士からのアドバイスがそれほど必要でない場合は、決算申告のみを依頼することで費用を抑えることができます。

しかし、自社で税務や経営に関する基本的な知識・スキルを持っていないと、相応の税務リスクが伴う点には注意が必要です。

税務調査のリスク

税務調査が入る可能性が高い業界や状況にある場合は、顧問税理士がいることで迅速かつ適切に対応できます。

税務調査は企業にとって大きな負担となりますし、税務調査官と対峙する際は専門的な知識と経験が必要です。

スポット契約の場合、税務調査時の対応には費用が別途かかりますし、顧問税理士でないと的確なアドバイスは難しいです。

一方、顧問税理士は税務調査に対する準備や対応をサポートできるため、調査リスクを最小限に抑えることが可能です。

帳簿の記載ミスは税務申告の誤りに直結しますので、税務調査を回避するためには正しい内容の申告書を作成することが不可欠です。

税務調査の対策が不完全だと、対応が後手に回ってしまいますので、税理士を選ぶ際は税務調査に関するサポート内容もチェックしてください。

永安栄棟税理士事務所では、税務調査セットプランも提供しています。

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顧問税理士を選ぶ際に気を付けるべきポイント

税理士の登録者数は8万人以上いるため、その中から条件に合った税理士を選定するのは大変です。

相性の良い税理士と出会うことができれば、長期的なパートナーシップを築きやすくなるので、自社の業種や規模に適した税理士を見つけてください。

税理士は会社の財務状況を深く理解し、適切なアドバイスを提供する役割を担っていることから、専門知識や経験だけでなく、経営者と円滑なコミュニケーションを取る能力も重要な選定条件の一つです。 費用面のみで税理士を選んでしまうと、期待するサービスが得られない可能性がありますので、顧問契約を結ぶ際は費用だけでなく、提供されるサービス内容も確認してください。

まとめ

税理士に依頼するかどうかは任意ですが、企業においては税理士に法人税の申告書作成を依頼するのが望ましいです。

納税者が申告書を作成すれば、短期的にはコストを削減できます。

しかし、帳簿の記載誤りや申告漏れがあった場合、税務調査で指摘され、余分に税金を納めることになってしまいます。

税理士が関与していない企業は、それだけで税務署から狙われやすくなるため、現在税理士に依頼していない方や、顧問税理士の変更を検討されている方は、弊社の利用を検討してください。

複雑な帳簿作成を自分で行うのは手間がかかるだけでなく、申告ミスが発生する原因になりますので、記帳代行・確定申告を税理士に丸投げすることをオススメいたします。

永安栄棟税理士事務所は、オンライン化やAIの活用などによる業務効率化により、下記の価格でサービスを提供させていただいております。

売上規模月額料金
~1,000万円法人:2万円
~2,000万円法人:2.5万円

丸投げパックには、次のサービスがすべて含まれています。

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弊社は、日本全国どこからでもご依頼いただけますので、この機会にプラン内容をご覧いただき、プランの利用をご検討ください。

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個人事業主は税理士が関与している割合が低いため、法人に比べて税理士の存在が税務調査に影響しやすいです。

税務調査を受けないようにするためには事前対策が不可欠ですので、本記事で個人事業主に対する税務調査の状況と、税理士に依頼した場合の税務調査への影響について解説します。

所得税の税務調査の実施件数は年間60万件

令和5事務年度に実施された、所得税の税務調査は605,077件です。

令和5年分の所得税の申告件数は2,324万件ですので、提出された申告書に対してのみ税務調査が実施されたと仮定した場合、調査を受ける確率は2.6%程度になります。

法人が税務署から接触を受ける割合は、年間で3%から4%とされていますので、数字上では法人よりも個人の方が調査を受ける確率は低いです。

一方、個人に対する税務調査は事業者を中心に実施されていますが、事業所得者の納税申告件数は166.4万件しかないため、個人事業主が税務調査を受ける確率は10%程度あると考えられています。

調査対策を講じていないと、ある日突然税務署から調査の連絡が入る可能性があるので、事業規模の大小に関係なく、個人事業主でも最低限の対策は必要です。

個人の実地調査で非違事項が指摘される確率は80%超

税務調査を受けることになったとしても、申告内容に誤りが無ければ追徴課税を受けることはありません。

しかし、税務署の調査担当者が自宅や事務所を訪れて実施する「実地調査」において、非違事項が指摘される確率は84.4%と高水準です。

個人事業主が税務調査を受ける確率は10分の1程度ですが、税務署は増差税額が見込める事業者を中心に調査を実施するため、調査前の段階で計算ミスや申告漏れを把握している可能性が高いです。

出所:令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況(国税庁)

https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2024/shotoku_shohi/pdf/shotoku_shohi.pdf

税務調査を受けやすい業種は対策が必須

税務署は無作為に調査対象者を抽出しているのではないため、調査対象者として選ばれやすい事業者には特徴や傾向があります。

たとえば、同業者に比べて利益率が極端に高い(低い)事業者は、調査対象になりやすいです。

税務署の調査担当者は、調査を実施したことによる実績が求められているため、売上が大きい個人事業主についても、調査対象者として選ばれやすい傾向があります。

申告漏れ所得⾦額が高額な業種については、適正に申告をしていたとしても税務署から狙われやすいため、調査対策が必須です。

近年の個人事業主に対する税務調査の状況としては、令和3事務年度から3年連続で、経営コンサルタント業が最も申告漏れ所得金額が高額な業種となっています。

経営コンサルタント業を営んでいない人でも、脱税を行った経営コンサルタントと取引している場合には、取引内容が一通りチェックされ、必要に応じて調査が実施されるので注意してください。

出所:令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況(国税庁)

https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2024/shotoku_shohi/pdf/shotoku_shohi.pdf

税理士関与による個人事業主に対する税務調査への影響

本人に代わって申告書を作成できるのは、税理士資格を有している人に限られます。

申告手続きの労力を削減する目的で税理士に依頼するのも選択肢ですが、税務調査を想定して税理士に依頼することも検討してください。

弊所は兵庫県にある税理士事務所ですが、日本全国どこからでもご依頼いただけます。ぜひ以下より、丸投げパックについてチェックしてみてください。

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税理士が関与していない申告書は税務調査を受けやすい

個人事業主が自ら作成した申告書と税理士が作成した申告書を比べた場合、税理士が作成した申告書の方が適正である可能性が高いため、税理士に依頼するだけで計算ミスを起点とした税務調査を回避できます。

一方、税理士が関与していない申告書は、計算ミス等の有無を細かくチェックされますので、相対的に税理士が関与している申告書よりも調査を受けやすいです。

個人事業主は法人よりも税理士の有無が影響しやすい

法人税の申告に関与している税理士の割合は90%程度と、大半の企業は税理士が申告書を作成しています。

それに対し、所得税の税理士関与の割合は20%程度と、5人に1人しか税理士に申告書の作成依頼をしていません。

出所:令和5事務年度 国税庁実績評価書(財務省)

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/policy_evaluation/proceedings/material/81seihyoukon03.pdf

所得税の税理士関与割合には、給与所得者や年金受給者の申告も含まれるため、個人事業主に税理士が関与している割合は上記の数値よりも上がりますが、法人に比べると個人事業主の税理士関与割合は低いです。

大部分の納税者が税理士に申告書作成を依頼しているのであれば、税理士の存在が税務調査の受けやすさに与える影響は少ないです。

しかし、税理士が関与している割合が半数程度であれば、税理士が関与している申告書に対する税務調査の優先順位は一段階下がりますので、個人事業主に関しては税理士を付けるだけでも一定の調査対策の効果が見込めます。

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税理士が関与していても税務調査を受けるケース

個人事業主に税理士が関与していても、税務調査を100%回避できるわけではありませんし、依頼する税理士によっては、逆に調査を受けやすくなることもあります。

事業者が不正をしていた場合

税理士は提供された資料等を基に申告書を作成しますので、提供された資料自体に誤りがあった場合、税理士が申告書を作成していたとしても税務調査を回避することは難しいです。

事業者が売上除外や経費の架空計上を行っていれば、税理士の有無に関係なく税務調査で指摘されますし、意図的な税金逃れは重加算税が課されることになるので止めてください。

また、税務署は提出された申告書以外にも、法定調書などから事業者の売上や経費に関する情報を収集しています。

売上の一部を巧妙に隠したとしても、取引相手が正しく申告していれば、売上を除いていたことは把握されますので、適正な申告を行わないと調査を受ける確率は格段に上がります。

税務調査の連絡が入ってから税理士に依頼できるのか

税務調査に同席できるのは、原則税務代理人に限られ、税務代理人以外の第三者の立会いは断れます。

税務代理の委任を受けた税理士は、納税者の代わりに主張・陳述を行うことが認められているため、申告書の作成を税理士に依頼していない場合、税務調査を実施する旨の連絡が入った段階で税理士に税務調査への同席を依頼することも選択肢です。

弊所の税務調査サポートプラン詳細については、以下をチェックしてみてください。

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顧問税理士選びは人柄や年齢もチェックすべき

税理士に確定申告書の作成依頼をすれば、税務調査を受ける確率を下げることはできますが、税理士選びに失敗してしまうと、逆に調査を受けやすくなることもあるので気を付けてください。

顧問税理士を探す場合、気軽に相談できる人となりや、e-Taxなどのデジタル化に対応している点も判断材料となります。

税理士は事業者の税に関する相談を受けるアドバイザーとしての役割もあるため、対応がおざなりな税理士に依頼してしまうと、対価に見合わない報酬を支払うことになるので注意が必要です。

個人事業主であれば、年齢が近い現役世代の税理士に依頼することで、途中で税理士を変更するリスクを避けられますので、顧問税理士選びは長期的な目線で検討してください。

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何かお困りのことがございましたら、ぜひ一度永安栄棟 公認会計士・税理士事務所へご相談ください。

税理士は確定申告書の作成だけでなく、税務調査に立ち会うことができるため、調査対策の視点から税理士を選ぶことも大切です。

税理士選びに失敗してしまうと上手く節税ができないだけでなく、調査対象者として税務署から狙われやすくなるので気を付けてください。

本記事では、税務調査対策として税理士を活用するメリットと、税理士に依頼する際に知っておくべきポイントをご紹介します。

事業者は必ず税理士に依頼しなければいけないのか

確定申告書は基本的に納税者が作成し、提出するものなので、納税者自身で申告手続きを行える場合には税理士に依頼する必要はありません。

しかし、事業者は確定申告書を年に1度しか作成しませんし、税制改正が行われれば変更点を確認した上で申告することが求められます。

納税者と税理士を比較した場合、税に関する知識は税理士の方が豊富であり、税理士は依頼を受けている件数だけ申告書を作成していますので、申告手続きにも慣れています。

税務調査に関しても、調査経験が複数回ある人は限られますので、ほとんどの事業者は調査対応に慣れることはありません。

税務調査の連絡は突然入るため、連絡を受けてから調査対策をするのでは遅いです。

調査対応のしかたを間違えてしまうと、追徴税額が増えるなどのリスクが上がりますが、関与税理士がいれば事前に調査対策ができますので、調査自体を回避できるようになります。

税務署から調査の連絡が入るパターン

税務調査は脱税を試みた人(法人)に対して実施されるイメージがあるかもしれませんが、一般の方でも調査対象者として選ばれますので注意してください。

税務署から連絡が入るパターンは3種類あり、申告誤りがあれば本税だけでなく、加算税・延滞税といった附帯税も支払うことになります。

  • 実地調査
  • 実地調査以外の調査
  • 行政指導

出所:税務手続について(国税庁)

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/02.pdf

「実地調査」は調査担当者が自宅・事務所に訪れる調査

「実地調査」は、調査担当者が自宅や事務所を訪問し、提出した申告書の内容や申告書を作成する基となった資料等を調べるために実施します。

一般的な税務調査は実地調査を指すことが多く、実地調査は1日かけて調査することがほとんどで、法人に対する税務調査については日をまたぐことも珍しくありません。

申告内容に誤りが無かったとしても、調査対応で最低1日は拘束されますし、調査担当者からの質問に回答できないと、計上した経費や特例適用が否認されるなどリスクが伴います。

また、仮装隠蔽行為があったとみなされた場合、重加算税が適用される点にも注意しなければなりません。

出所:加算税の概要(財務省)

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/tins/n04_3.pdf

「実地調査以外の調査」は電話や税務署内で実施する調査

「実地調査以外の調査」は、電話や税務署で申告誤りの指摘を行う調査手法です。

実地調査は申告書の内容をすべて確認するのに対し、実地調査以外の調査では申告誤りや申告内容の疑義がある部分だけを調査します。

調査で拘束される時間は実地調査よりも短く、調査担当者の疑義を解消できれば追徴税額を支払わずに済むケースもあります。

一方で、実地調査以外の調査でも申告誤りが指摘されれば、実地調査と同様、本税に加えて加算税・延滞税を納めなければなりません。

また、実地調査以外の調査で新たな不明点が判明した際には、実地調査に移行して調査することもあるため、適切な対応が求められます。

「行政指導」納税者に確認を促す調査

行政指導は税務署が納税者に対して申告内容の確認を促し、誤りがあった際は自主的な修正をさせることを目的とした指導です。

実地調査や実地調査以外の調査と違い、法律上の税務調査ではないため、行政指導により提出した申告書は自主申告扱いとなります。

自主的な修正申告や期限後申告は、適用される加算税のペナルティが軽減されるため、行政指導の段階で申告書の内容を正せば、余分に納める税金を抑えることができます。

また、行政指導は自主的に申告内容の確認を促すものなので、申告内容に誤りが無ければ修正申告等を提出する必要はありません。

ただし、税務署が申告内容の修正等を要すると判断した場合には、実地調査や実地調査以外の調査に切り替えて、調査が行われる可能性があるため、行政指導の連絡が入ったときも適切な対応が必要です。

税務調査対策として税理士に依頼するメリット

税理士を付けるメリットは、確定申告書の代理作成や節税だけでなく、税務調査に関するメリットも存在します。

税務調査を受ける確率が下がる

税務署は無作為に調査対象者を抽出しているのではなく、調査する条件が揃っている納税者を中心に調査を実施しますので、狙われやすい事業者は対策が不可欠です。

年間で税務調査を受ける確率は税金の種類によって異なり、個人事業主(所得税)は概ね1%、法人(法人税・消費税)は3%~4%程度です。

税務署の調査担当者は、調査を実施したことによる実績が求められているため、増差税額が発生する可能性が高い事案ほど調査対象者として選定しやすい傾向にあります。

納税者が作成した申告書は、税理士が作成したものより申告内容に誤りがある可能性が高いため、税理士関与が無い申告書の方が税務調査を受けやすいです。

一方、税理士が関与している申告書は、税務署から一定の信用はされていますので、税理士を付けているだけで、調査を受ける確率は下がります。

出所:令和4事務年度国税庁実績評価書(財務省)

https://www.mof.go.jp/about_mof/policy_evaluation/nta/fy2022/evaluation/index.html

税務調査に対する不安を払拭できる

納税者が関与税理士を付けている場合、税務署は関与税理士を通じて納税者に連絡をしなければなりません。

したがって、関与税理士を付ければ税務署から直接連絡が入ることは無くなりますし、税理士が間に入って税務署の担当者と税務調査に関する話し合いをしますので、税務署のペースで調査が展開されることを防げます。

税務調査は納税者以外の人が立ち会うことはできませんが、納税者から委任を受けた税理士については立ち会いが認められています。

初めて税務調査を受ける納税者は、脱税行為をしていなくても調査について不安になりますが、税理士がいれば不安を軽減できますし、調査に関する疑問点を事前に税理士へ聞けるのも関与税理士を付けるメリットです。

税務署からの指摘に対して適切な対処を行える

個別判断を要する事項は適否が分かれやすく、納税者によって経費計上の可否や特例制度の適否が変わることは珍しくありません。

税務署は税務調査で白を黒にすることはしませんが、白黒はっきりしていない点を黒と認定し、申告誤りとして指摘することはあります。

納税者が税知識を十分に有していない場合、調査担当者からの指摘に対して反論することが難しく、根拠のある意見を主張できないと黒として認定されてしまう可能性が高いです。

その点、税理士は税務署の調査担当者と同等、またはそれ以上の知識・経験を有していますので、調査担当者が黒の疑いを向けたとしても、白である根拠を法令や判例等を交えて説明することができます。

税務署は黒と断言できないものを無理やり黒認定することはしませんので、見解が分かれる事項が多いケースほど、税理士の存在が活きてきます。

税務調査に強い税理士の見つけ方

税務署は牽制目的で税務調査を実施することがあるため、確定申告書を適正に作成したとしても、税務調査を100%回避することは困難です。

税務調査を受けないことが望ましいですが、税務調査が入ったとしても申告誤りを指摘されなければ、追徴課税を受けることはありません。

税務調査に強い税理士は、調査対象になったことも想定して対策を講じますので、調査を受けないことだけをアピールしている税理士には注意してください。

税理士の中には税務署側に傾いた対応をする方もいますので、税務署の調査担当者の要求を鵜呑みにせず、納税者の味方として行動する税理士に依頼してください。

税務調査リスクを下げたい方は税理士を活用すること

税務調査を可能な限り回避するためには、申告書を正しく作成することが最も重要です。

納税者が正しい申告書を作成するのは大変ですので、調査リスクを軽減する観点から税理士に依頼することも検討してください。

税務調査は一つの計算ミスが原因で実施されることもありますし、税理士が付いていない申告書は、他に誤りがないか念入りに調べられます。

全国には数多くの税理士事務所が存在しますが、事務所によって得意・不得意の分野は違いますし、税理士自身の能力にも差があります。 毎年申告する事業者は、顧問税理士の選び方が経営にも影響してきますので、信頼できる税理士を見つけていただき、事業に専念できる環境を整えてください。

税務でお困りごとがございましたら、永安栄棟 公認会計士・税理士事務所へお問い合わせください。

税務調査は1年中行われていますが、制度の創設・変更した部分は調査対象になりやすい傾向にあります。

インボイス制度は令和5年(2023年)10月1日からスタートしましたので、消費税の税務調査は今後増加することが予想されますので、調査対策は不可欠です。

本記事では、インボイス制度に対する税務調査の動向と、インボイス制度導入後に気を付けるべき税務調査のポイントについて解説します。

消費税の税務調査の実施状況

消費税の税務調査は毎年数多く実施されており、令和4事務年度における法人税・消費税の実地調査件数は6.2万件、簡易な接触件数は6.6万件です。

「実地調査」は、調査担当者が自宅や事務所に訪れて実施する調査をいい、一般的な税務調査は実地調査を指します。

「簡易な接触」は、税務署が書面や電話、来署依頼による面接により、納税者に対して自発的な申告内容の見直しなどを要請するものです。

1年間の納税者に対する法人税・消費税の接触率は3.9%、5年間では17.8%となっていますので、確率的には6社のうち1社は5年間で国税当局から何かしらの接触を受けています。

一方、令和4事務年度の個人事業主に対する消費税の税務調査件数は93,985件と、対前年比110.3%となっています。

消費税の無申告者に対する調査も積極的に実施されており、 同事務年度の実地調査件数は7,615件(令和3事務年度3,828件)、1件当たりの追徴税額は全体156万円の1.7倍にあたる260万円です。

260万円は過去最高額だった令和3事務年度の245万円を超える額なので、税務調査で無申告を指摘された際の追徴税額は今までで最も大きいです。

インボイス制度への対応が必要になるケース

インボイス制度(適格請求書等保存方式)が導入された令和5年10月1日以降に、消費税の仕入税額控除を適用する場合、原則として適格請求書発行事業者から交付を受けた適格請求書の保存が必要です。

適格請求書を交付する事業者は、納税地を所轄する税務署長に適格請求書発行事業者の登録申請書を提出し、適格請求書発行事業者として登録を受けなければなりません。

適格請求書発行事業者の登録件数は、令和6年3月末時点で4,445,025件です。

出所:適格請求書発行事業者の登録通知時期の目安について(国税庁)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/kensu_kikan.pdf

登録申請ができるのは消費税の課税事業者に限られるため、消費税の免税事業者が登録をするためには、課税事業者への変更を要します。

インボイス制度への対応は任意であるため、インボイス制度に対応していないだけで税務調査を受けることはありません。

しかし、免税事業者からの仕入れに係る消費税は仕入税額控除の対象外となることから、適格請求書発行事業者の登録をしない場合、事業の取引範囲が狭まることが懸念されています。

インボイス制度に対する税務調査は大口・悪質なケースに限定

住沢整国税庁長官は、会見等でインボイス制度に対する税務調査を大口・悪質なケースに限定して実行することを示しています。

国税当局は、これまでも保存書類の軽微な記載不備を目的とした調査は実施しておらず、記載事項の不備をあげつらうような調査はしないとし、税務調査の過程でインボイスの記載不備を把握したとしても、柔軟な対応をとる方針を考えているとのことです。

たとえば、インボイスに必要な記載事項については他の書類等で確認したり、 修正インボイスを交付することで、事業者間でその不足等を改めるなどの対応を行うこととしています。

調査必要度の高い納税者(大口・悪質な不正計算が想定される納税者など)に対しては、重点的に税務調査を実施するとしていますが、一般納税者に対してはインボイス制度に関するケアレスミスを指摘することだけを目的に、税務調査が行われることはありません。

出所:インボイス制度の周知広報の取組方針等について(国税庁)

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/tekikaku_seikyusyo/dai3/siryou.pdf

インボイス制度の導入で消費税調査はより厳しくなる

インボイス制度に対する税務調査は、国税庁長官が大口・悪質なケースに限定すると明言していますが、インボイス制度の導入自体が税務調査に影響を及ぼす出来事なので、事業者は必要に応じて対策を講じなければなりません。

消費税の無申告者の抽出が容易になる

適格請求書発行事業者の登録申請ができるのは、消費税の課税事業者に限られるため、インボイス登録を行った事業者は必ず消費税の申告をしなければなりません。

適格請求書発行事業者には登録番号が付されていますので、税務署は登録事業者の誰が申告しているか容易に把握できます。

インボイス(適格請求書)には、適格請求書発行事業者の氏名(名称)および登録番号登録番号を記載しなければならなず、税務調査では仕入税額控除を適用するために必要事項がインボイスに記載されているかチェックします。

登録事業者でない事業者からの仕入れを仕入税額控除に含めていれば否認されますし、取引相手が消費税の申告が必要な事業者であるかも同時に確認されます。

適格請求書発行事業者の登録は任意ですが、登録申請をしていない事業者についても、基準期間の課税売上高が1,000万円を超えていれば消費税の課税事業者となりますので、消費税の申告が必要になる事業者は期限内に手続きを行ってください。

仕入税額控除の適否判定を確認するための調査が増える

インボイス制度の導入で仕入税額控除の適用要件が変更になったため、仕入税額控除の適否判定のために税務調査が実施されることも想定されます。

インボイス制度に対する税務調査は一定の納税者に限定される見込みですが、経費の架空計上などに対する税務調査は全事業者が対象です。 経費を増やすために領収書等を偽造すれば、税務調査で指摘されるだけでなく、重加算税が課されることになるので気を付けてください。

消費税の税務調査で気を付けるべきポイント

所得税や法人税の税務調査対策は講じられることが多いですが、消費税の課税事業者については、消費税の税務調査への対策も必要です。

□消費税調査は所得税・法人税と同時に実施される

消費税は事業を営んでいる人(法人)が納める税金ですので、所得税・法人税と一緒に税務調査が実施されるケースが多いです。

消費税は課税売上げに係る消費税額から、課税仕入れ等に係る消費税額を控除して算出するため、売上の計上漏れや指摘されたり経費が否認されれば、消費税の納税額が増加します。

消費税の計算は「一般課税」と「簡易課税」の2種類ですが、インボイス制度が開始したタイミングで「2割特例」が期限付きで導入されています。

簡易課税は事前申請が必要であり、基準期間の課税売上高が5,000万円を超える場合、その課税期間は簡易課税制度を適用することはできません。

2割特例は事前申請することなく適用できる反面、インボイス事業者となるために免税事業者から課税事業者になった事業者を対象とする制度なので、適用する際は事前に要件を確認してください。

□消費税の複数税率に対応した申告内容の確認

消費税の軽減税率は、令和元年(2019年)から10月1日より導入されましたが、すべての課税売上に対する消費税を軽減税率、課税仕入れに対する消費税を一般税率で計算すれば、納税額を不当に抑えることができてしまいます。

税務署は複数税率に応じた会計処理を適切に行われているかだけでなく、不当に軽減税率・一般税率が適用されていないかを確認するために調査するケースもあるので、複数税率への対応も万全に講じなければなりません。

税務調査は5年前まで遡って実施する

事業者に対する税務調査は一般的に3年分の申告書を対象とすることが多いですが、法律上は5年前まで遡って調査することが認められています。

消費税が無申告であれば、5年前まで遡って調査することもありますし、税務調査で消費税の課税事業者に該当するとなった場合、過年分の消費税の申告も必要になるケースもあります。

また、税金を誤魔化す行為(仮装隠蔽行為)をした納税者に対しては、調査期間が7年まで延長されるだけでなく、重加算税が課される可能性が非常に高いです。

消費税の税務調査対策は今後必須となりますので、インボイス制度が導入されたタイミングで対策方法を見直すことを推奨します。

税務でお困りのことがございましたら、お気軽に永安栄棟 公認会計士・税理士事務所へご相談ください。

税務調査は大企業だけでなく、中小企業や個人事業主に対しても行われますし、調査が実施されるタイミングを把握することはできませんので、税務調査の連絡が入る前から対策を講じることが大切です。

本記事では、税務調査の種類と実地調査の流れ、税務署から調査の連絡を受けた際の対応方法について解説します。

個人の税務調査は個人課税部門が担当

税務署は全国524か所に設定されていますが、税務調査の実施内容は全国共通です。

所得税の税務調査は、基本的に管轄税務署の個人課税部門が担当となりますが、所得金額が多い人や事業規模が大きい個人事業主は税務署ではなく、国税局の職員が調査を担当する可能性があります。

税務調査官の調査能力には個人差があり、ベテラン職員は調査経験が豊富である一方、若手職員は少しでも疑問点が残っていれば解決するまで調査を継続します。

税務調査を完全に回避することは難しいですが、対策を講じることで税務調査を受ける確率を下げることはできますし、申告内容に問題が無ければ調査を受けたとしても追徴課税の対象にはなりません。

税務調査は任意調査と強制調査の2種類

税務調査は、目的等に応じて任意調査と強制調査が使い分けられています。

強制調査の対象となる人はごく一部

強制調査は、納税者の許可を得ずに捜査する調査をいい、調査を担当するのは税務署ではなく、マルサ(国税局査察部)です。

マルサは裁判所の令状を得て調査を実施するため、納税者の同意を必要とせず、必要であれば関係書類は押収されます。

強制調査で脱税を指摘された場合、追徴課税だけでなく刑事罰に処される可能性が高いので、強制調査を受けないことが何よりも重要です。

なお、強制調査の対象となるのは悪質な脱税犯に限られますが、個人に対しても行われる点には注意してください。

出所:査察調査我が国は納税者自身による適正な申告と納付(国税庁)

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/01.pdf

任意調査は一般的な税務調査

任意調査は、納税者の同意の下で実施する調査をいい、個人に対する調査のほとんどは任意調査です。

調査担当者は納税者に同意を得てから調査をする必要があるため、基本的に調査が実施される前に連絡が入ります。

ただ、任意調査であっても納税者は調査を断ることができませんし、調査に応じない場合や、事前に連絡することで調査に支障をきたすことが想定されるケースでは、無予告で実施することが認められています。

任意調査で申告内容の誤りを指摘された際は、追徴税額を支払うことになりますが、仮装隠蔽行為があったと判断されれば、重加算税の対象となるので注意してください。

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個人に対する税務調査の流れ

税務調査官が自宅や事務所に訪れて書類等を調べる調査を「実地調査」といい、実地調査は次の流れに沿って行われます。

出所:国税庁の税務調査の概要

https://www8.cao.go.jp/chosei/dokkin/kaisaijokyo/mtng_4th/mtng_4-3.pdf

①:税務署からの事前通知

調査担当者は納税者に対し、次の事項を事前通知することが法律で定められているため、実地調査が行われる際は、原則として事前に調査を実施する旨の連絡が入ります。

<事前通知で伝えられる事項>

  • 調査が実施される日時
  • 調査場所
  • 調査の目的
  • 調査対象となる税目
  • 調査対象期間
  • 調査対象になる帳簿書類等

調査日時は税務署から希望日が伝えられますが、合理的な理由があれば、納税者が調査日時の変更を求めることもできます。

ただし、税務調査の協力に応じない場合や、税務署が保有する情報から事前通知を行うことで調査に支障が出る場合、調査担当者は事前通知せずに税務調査を行うことが認められています。

②:調査に向けての事前準備

納税者は調査を受けることが決まりましたら、当日までに調査対象となった税目の資料・書類を準備してください。

個人事業主の場合、3年分の申告書が調査対象となることが多いですが、調査担当者は対象年分より前の資料等の提示を求めてくることがあります。

事業者には帳簿や領収書を一定期間保存することが定められているため、書類等を提示できないと不利な状況に追い込まれますので、日頃から関係書類の整理整頓を行ってください。

③:実地調査当日

調査当日は、税務署の調査担当者から身分証明書と質問検査章が提示されます。

実地調査では関係書類を調べるだけでなく、納税者に売上や在庫の管理方法など、確定申告に関連する内容を細かく尋ねられます。

調査担当者は必要に応じて帳簿書類などを提示・提出を求めてきますが、正当な理由がなく提示・提出を断ることはできません。

質問検査権に基づく質問は正確に回答しなければならず、質問事項に対して偽りの回答をすれば仮装隠蔽行為があったとして、重加算税の対象になってしまいます。

また、税務署は調査事項が解明されるまで調査を続けますので、早期に調査を終わらすためにも調査に協力することは必要です。

④:反面調査

調査担当者は、納税者からの聴き取りした内容の真偽等を確かめるために、取引先や雇用主などに対して反面調査を行います。

調査当日に担当者からの質問を上手く避けられたとしても、反面調査で事実関係は確認されますし、反面調査で新たな疑問点が浮上したときは、調査担当者が再び自宅等に訪れることもあります。

⑤:調査結果の説明・修正申告等の勧奨

税務調査が終了する際は、調査担当者から申告内容の誤り等についての説明が行われ、説明した内容に基づき、修正申告または期限後申告の勧奨が行われます。

修正申告(期限後申告)の勧奨は、納税者に修正申告書等の提出を促すもので、納税者が調査結果の説明に納得した場合、勧奨に応じて修正申告書等を提出することになります。

一方、税務調査の結果、申告内容に誤りが認められない場合や、申告義務がないと認められる場合には、税務署から「更正決定等をすべきと認められない旨の通知書」(通称:是認通知書)が送付されます。

⑥:修正申告・納税

修正申告等の勧奨に応じる形で修正申告書等を提出・納税した場合、1か月から2か月後に加算税および延滞税の通知が届きますので、適宜納めてください。

修正申告書等の勧奨に応じないときは、税務署長が更正または決定の処分を行い、更正または決定の通知書が送付されます。

また、調査結果に不服があるときは、再調査の請求や審査請求を行うことができますので、必要に応じて手続きをすることになります。

永安栄棟税理士事務所では、税務調査セットプランを提供しています。

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税務署から実地調査の連絡が入った際の対処法

納税者の大半は税務調査を受けた経験がなく、調査担当者の対応に苦慮することが多いため、不利益を被らないためにも税理士を付けることを検討してください。

税務署から税務調査を実施する旨の連絡が入った場合、その時点で調査を避ける手段はありませんので応じることになります。

調査の日程調整等に応じなければ無予告で調査が入ることもありますし、調査担当者の心証を悪くします。

一方、税理士法に定められている書面添付制度に基づく書面が申告書に添付されている場合、税務署は関与税理士を通じて税務調査を実施する旨の連絡を行います。

関与税理士がいるだけで税務署から直接連絡が入らなくなりますし、 関与税理士は調査当日に立会うことが認められています。

また、税理士は専門家として税務署に対し、納税者側の意見を正確に伝えることができますので、税理士に依頼するのは節税だけでなく、調査対策としても効果的です。

まとめ

個人と法人は調査を担当する部署が異なりますが、調査の基本的な流れは同じです。

しかし、個人事業主は法人と比べて税務調査を受けた経験が無い方が多く、税理士が関与していない申告も多いです。

関与税理士が不在の申告書は調査対象者として選定されやすく、納税者だけで調査担当者と対等に渡り合うのは難しいです。

確定申告書を作成する時点で税理士に依頼するのが望ましいですが、申告書を提出した後に税理士を付けることもできますので、税務調査関係で不安がある場合はぜひ一度、永安栄棟 公認会計士・税理士事務所へご相談ください。

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